日本でも新しく展開が始まったNEW BALANCE NUMERICのNM480。今後の主力商品のひとつとして期待される480はバスケットボールシューズがベースになっている。そしてその480は同社初のバッシュとして'80年代のトッププレイヤーに愛用されていたという歴史を誇っている。
今回、当時のNEW BALANCEとバスケットボールシューズの歴史を振り返り、480のルーツを辿ってみる。
—TM
New Balanceがブランド初となるバスケットボールシューズの480をリリースしたのは1983年。この480は、ジェームズ・ウォージーやM・L・カーといった当時のスター選手が着用していた競技者用モデル、PRIDE 480の一般流通モデルとしてリリースされたもの。PRIDE 480はブランド初という名にふさわしく、快適なアッパー、ソールのラバーとEVAクッション、補強された履き口とパッド入りのタンなど革新的な機能性とデザインとして注目を集めていた。
翌'84年にはPRIDE 680をリリース。こちらはPRIDE 480をアップデートしたもので、足を安定させるために甲とかかとを補強し、履き心地を向上させたインソール、ハードウッドのコートでのグリップを高めたLock-Treadアウトソールを採用。'89年にはPRIDE 650という競技用ハイエンドモデルをリリース。同タイミングで一般流通モデルの650とローカットの550が販売されるも、'80年代いっぱいでNew Balanceはバスケットボールのマーケットから撤退することになる。
AirwalkのEnigma、Prototype、540や720、etnies Natas、Vision Street Wear、VansのSK-8 Hi、Caballeroなどに代表されるハイカットのスケートシューズ全盛の'80年代~'90年代初頭のシーンにおいて、Nike Air Jordan 1、Converse Pro Leatherなどとともに当時のスケーターが480などを愛用。'80年代の日本のスケートシーンを記録した樋貝吉郎の写真集『JUDO AIR』にはPRIDE 680を履くYoppiの姿が収められている。また1987~95年にかけてイギリスで刊行されていたスケートとBMXの雑誌『R.a.D(Read and Destory)』のIssue 66 August 1988のカバーフォトではPRIDE 480を履くスケーターがフィーチャーされている。
話は脱線するがPRIDE 480の面白いエピソードをここでご紹介。バスケの神様的存在であるマイケル・ジョーダンのJumpmanのロゴ。1984年に『ライフ』誌のために撮影されたマイケル・ジョーダンの以下の写真が、後にNikeがJumpmanロゴを作るきっかけになったとか。なんとこの時彼が履いていたシューズはPRIDE 480。その後、Nikeと契約したジョーダンを再度撮影した写真がJumpmanロゴとなり世に広まっていく。
それから時は流れ2018年にNew Balanceはカワイ・レナードとシューズ契約を行いバスケットボール市場へ再参入。シグネチャーモデルのKAWHIやハイテクバッシュをリリースする傍ら、550 / 650の復刻モデルが折からの'80sリバイバルも相まってスマッシュヒット。
2023年には満を持して480がスケートシューズへとリメイク! インラインモデルでのデビューに続きアンドリュー・レイノルズのカラーウェイなどが北米限定でリリースされた。スケート仕様の480は'80年代のオリジナルモデルからほとんどデザインが変わっていないのが特長で、デザインの変更を微調整にとどめながら、つま先部分を3層構造にしABZORBのインソールを採用、さらにミッドソールの全面に衝撃吸収用のフォームであるFullCellテクノロジーも搭載している。'80年代から変わらぬ定番スタイルはそのままに、New Balance Numericらしさが光るハイパフォーマンスモデルに仕上がっている。
優れた履き心地と機能性でスケーターから高い支持を集める480。New Balance Numericの新しい定番モデルのひとつとしてこれからもさまざまなブランドとのコラボレーションやカラーウェイをリリース予定。
'80年代のバスケットボールシューズ480のDNAを現代に引き継ぎスケートシューズへとアップデートを果たしたNumericバージョンの480に注目してみてください。