サイラス・バクスターニールから「日本で撮影をしたいから協力してほしい」と突然連絡があったのが3月末のこと。明日、東京で試写会を控えるadidas Skateboarding初のフルレングスビデオ『Away Days』の撮影のデッドライン間際のことだった。来日の主な目的は、サイラスのパートのイントロで使用する旅のシーン、つまり、機内や空港の絵、または日本滞在中のライフスタイルをはじめとする素材の撮影。“旅”が大きなテーマとなっている本作にはまさに不可欠な素材。
旅の素材の撮影終了後、パートで使用できるエンダークラスのトリックも撮影したいとのことで、サイラスから1週間ほど日本のどこかで撮影をしたいとのリクエスト。話し合いを重ねて旅先を決めかねているとき、サイラスの友人が観光で訪れた際に撮ったというスポットの写真を偶然発見して九州行きが決定。狙うのは、あまり知られていない鹿児島南部の砂浜沿いの某スポット。
現地の事情に詳しい鹿児島のスケートショップであるDUSKの協力のもと、『Away Days』の追い込みの撮影を目的とした九州ツアーが開始。面子はサイラスとデニス・ブセニッツの2名に加え、TWSの専属フィルマーのカーソン・リーとフォトグラファーのジョナサン・メリング。サイラスにとって今回の来日の目的は、旅の素材撮りよりも鹿児島でエンダーになり得るトリックをゲットすることのようだった。
とはいえ、スポットとは実際に行ってみないとそのコンディションがわからないもの。アプローチが短かったり、路面が悪かったり、人が多くてキックアウトされたり。そんな不安を抱えながら、ひとつのトリックを撮影しに大金を投じてアメリカから鹿児島へ。莫大な費用、時間と労力をかけたにも関わらず、撮影がうまくいかないことももちろんあり得る。そんなプレッシャーを感じながらも、結果的には狙ったトリックを見事ゲット。プレッシャーから解放されたサイラスは、喜びのあまりパンツ一丁になり、海に飛び込んだほど。
ミッションをコンプリートさせた我々は、1週間かけて、鹿児島から熊本、福岡、佐賀、大分と九州のスポットを次々とヒットし、サイラスとデニスでこれでもかと言わんばかりのトリックを量産。そのフッテージの一部は『Away Days』に使用され、写真に至ってはすでにThrasherの最新号に掲載されたサイラスとデニスのインタビューで使用されている。
ということで、突発的かつ偶発的にスタートし、大成功に終わった『Away Day』九州ツアーの様子をどうぞ。そして、最下部にサイラスとデニスのインタビューの音声を貼り付けているので、英語がわかる人もわからない人も是非聴いてみてください。九州ツアーの和気あいあいとしたヴァイブスが伝わると思います。
--MK
Photos via @mehringbearings & Akira Matsusaki