
前々から気になっていたのがビデオパート内のフレンズカット。主に個人の尺長パート内で見られることが多々ありで、ときには箸休め、ときには燃料投下、ときには尺を埋めるといった役割を担うために有効利用される“友情出演”。
遡れば'80年代とかにもあったんだけろうけど、お約束として定着させた一因がPlan Bの『Questionable』(’92年) だと記憶しております。特に印象的だったがマイク・キャロルの6分超え3曲使いパート。EMBを世界一のアイコニックスポットへと昇華させた名パートなのですが、実に多くのフレンズが登場していたことに驚いたものです。当時はクレジット等が挿入されないのが主流だったので(最近もあんまり入らないけど)別人が登場するたびに動きや服装なんかで判断しなきゃならなくて、「あれはどこそこの誰がしだ」と仲間たちと知恵を振り絞って犯人(?)探しをしたものです。インターネットが一般に普及する以前ね。
話を戻しますが、マイク・キャロルのパート内にはざっと覚えているだけでも、ロン・バーティーノ、ジョバンテ・ターナー、ヘンリー・サンチェス、ジェイムス・ケルチといった錚々たる面々が…(他にも数名)。翌年に発表されたPlan Bの『Virtual Reality』(’93年)内に、Blindのフレンズセクションが設けられたのはあまりにも有名ですが、パート内にしれっと友情出演させる手法もまた、M.T.ことマイク・タナスキー発案だったのかなと。
どちらの作品もメガホンを取ったのは(表現古っ!)マイク・タナスキーなのですが、残念なことに'94年に交通事故で他界。しかしながら彼の残したレガシーはスケートカルチャーにしっかりと受け継がれております。誰だったかがインタビューで「スケートビデオのしかるべき姿(フォーマット)を作ったひとりが、マイク・タナスキー」だと。合掌。
─KE