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生産が追いつかない!?
──コンクリートプール

2021.01.18

灰皿や小物入れなど、さまざまな用途に使用可能なコンクリート製のミニプール。VHSSTOREの人気商品のひとつでもあるこのアイテムについてもっと知りたいっ!! ということでK.C.VことKokorozashi Concreate Vibesの土屋敬志くんに話を聞いてみた。

—TM

 

VHSMAG(以下V): まずはコンクリートプールを作ったきっかけについて聞かせてください。

土屋敬志(以下K): 幼少期から図工や家庭科が好きで、つねに何かを形にしたり作品としていろんなものを作り続けてきました。すると誰かがそれを「欲しい」って言ってくれるんだけど、すべてが1点物で愛着がありすぎて手放せないんです。誰かと共有・共感したくても自分の手元にしかないってのが続いたときに、キングコングの西野さんが「作品は誰かの元に届けて価値になる」とタモリさんに言われた…という話をラジオで聴いて。量産できて、最初から最後まで自分が責任もって魂込めながら携われるものを…ということで、指スケ用のパーキングブロックを作ったんです。

V: 最初はパーキングブロックだったんだ。

K: そこにも理由があって(笑)。パーキングブロックってスケーター目線からしたらアイコニックなものじゃないですか? つい乗っちゃうでしょ? スケーターっていつでも、目の前に何かが存在することでよりリアルに脳内スケートボードができちゃう生き物なんです。そのパーキングブロックにはお香立て機能も付けたので以外と評判良くて(笑)。そこから「誰かの元に届けてこそ」の意味が解りはじめ、記憶の片隅にあった憧れのIndyのプール型灰皿を自分のスタイルで表現してみようと思ったのがきっかけです。

V: 実際にプールを作ったときの話やこだわりなどを聞かせてください。

K: やっぱり原型の面の美しさに一番こだわってます! すべてが手作業で研磨を繰り返し、納得いくまでヤスリの#2000番で磨き上げています。正直、苦労と言うか、作ってるときが一番楽しかったりするんですけど。





V: スケーターの財布に優しい価格設定も魅力的だね。

K: ファーストプールを作ったときの8×13ってサイズは、実は自分の長男の誕生日なんです。なので2,300円っていう価格は子供でも手が出せる金額ということで設定していて。自分の中でプールってなると高山 仁くんってことで相談し、最終的に小物にも強いHeshdawgzのチビドラと決めました。ただ、原材料の高騰化などもあって、4月から200円値上げの2,500円にしないといけないかもです。

V: みんなこのプールはどういう使い方をしているの? 意外だったり面白い使い方は?

K: 逆にみなさんの使い方を聞いてみたいですね! とりあえずサポートしてくれてる5nutsではコーンタイプのお香立てにしてくれてます。

V: このプールをアートのキャンバスとして自由に絵を描いてほしいって聞いたことがあるんだけど…。

K: 実は、ファーストのファーストシリーズは自分が塗装までしていました。でも、けっきょく好みの色ってすごく難しいし、飽きが来たりするじゃないですか? みなさんが映像や写真で見るプールって、ほとんどがタグやらペイントで埋め尽くされていて雑な雰囲気でかっこいい。そんなリアリティのあるジオラマプールみたいなものを、それぞれの視点で遊べたりしたら愛着持てるしね。なので、あえて無垢な質感を活かしてます。買ってくれた方が、それぞれの好きなようにアートキャンバスにしてくれたらうれしいです。アーティストも増えるでしょ。それか、外タレが来たときの色紙代わりにでもどうですか?


V: プールの商品ラベルも敬志くんの手書きなんでしょ。

K: ギクッ…と言うのも、自分がスケートカルチャーに触れたときって、この手のカラーコピーな手書き感で、2色使いの毒々しく強烈なインパクトのあるパケのスタイルが多かったんです。「陳列棚でオレを見ろ!」と言わんばかりの(笑)。なので、手書き感の雑さと商品のクオリティのギャップも狙ってます(笑)。版画なので、手間がかかるけど1枚1枚気持ち込めて刷ってます。家庭料理と一緒でムラがあるから飽きないんだよね(笑)。


V: うれしかった反響は?

K: CHALLENGERの田口くんが一番最初に「ウチで(コラボ)やろうよ!」って言ってくれたこと。この商品が世に広まるチャンスでしたからね。あれはうれしかった。その後も、MxMxMやH.L.N.Aとも仕事ができたこと。海外からも「何処で買えるんだ!?」なんてDMが来たほか、リピーターになってくれる人がいたり、プレゼント用に買ってくれたりする人もいることです。何しろ、作り手である自分とと購入者との間に縁と言うか繋がりが持てたことが一番うれしいです。



V: 今後の展開や新作の予定などは?

K: 今後も自分が作りたいものを作って、そこに共感して貰える一期一会のチャンスを広げていきたいと思ってます。それしかないです(笑)。先の予定なんか立てらんないですが、みんながニヤッとしてくれるものを目指していきたいです。

 

問い合わせ PagerTokyo 03-3295-5838 / pagertokyo.com

 


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