2017年6月のロンドンテロ事件。現場はロンドン中心部のロンドン橋とその付近のマーケット。暴走したワゴン車が次々と歩行者を轢き、マーケットでは大勢が刃物のターゲットに。実行犯3名はその場で警察官によって射殺。50名ほどが重軽傷を負い、8名の命が奪われました。その死亡者のひとりがイグナシオ・エチェヴェリアというスケーター。
土曜の夜に仲間とストリートスケートを楽しんでいたところテロと遭遇。目の前で襲われていた女性を助けようとテロリストと格闘の末、刺されてしまいます。女性の命は救われましたが自身が命を落とすこととなりました。
正義感ゆえに路上に散ったイグナシオのストーリーをViceがドキュメンタリー形式で報じています。忌々しい事件の後、残された仲間は事件当日にイグナシオがヒットしたスポットを同じルートで回るという追悼セッションを開催。SNSで告知したところ40名近くのスケーターが集まり、スポットでキックアウトする警備員も事情を知ると共感して寛容な対応をしたこともあったとか。イグナシオの地元スペイン・マドリードでは大規模な追悼セレモニーが行われ、市長は故人の行動を讃えて祖父母の家の前に彼の名前を冠したスケートパークを建設。残された母親はそこでスケートの音やスケーターの歓声を聴きながら息子を偲んでいるそうです。
近頃、ニュースなどでスケーターが「迷惑」と取り沙汰されることが多くなりました。「発砲許可願います」というヤフーコメントもあったようです。「スケーター=悪」といったレイシストと同じ短絡的な思考を持つヘイターにも是非このドキュメンタリーを観てもらいたい。Vice Japanのみなさま、日本語字幕版の公開をお願いします!
--MK