才能豊かなフィルマーが数多くアメリカにいることは承知のことですが、個人的に気になる人がいます。それは、Fat Billことウィリアム(ビル)・ストロベック。最近だと『The Cinematographer Project』でアレックス・オルソンなんかが出てきたモノクロパートを撮影した人といえば、ピンとくる人も多いかと思います。その興味深いFat Billというニックネームの由来ですが、もともと読んで字のごとくファット(デブ)だったそうです。ビルというのはウィリアムの短縮系(大輔が大ちゃんになるみたいな?)なので、それでFat Billと呼ばれているみたいです。そんな彼ですが、何が魅力的かというと、とりあえず適当なところが気になります。メジャーメディアにありがちな、投光器ギンギンにたいて僕たち撮影しています!! みたいな感じは皆無で「とりあえずそこらへんで撮影しました」的なノリの映像が多い。完成度が妙に高い作品や過度に編集された動画が濫立している中で、超が付くほどのマイペースさとRAWな感じがストリート臭プンプンでイカしています。
Fat Billの映像的なかっこよさもさることながら、この人のイケてるのが、撮影する被写体(スケーター)がどれもイカしているのがヤバさに拍車をかけています。パパラードからはじまって、ディル、ディラン、ジェイク、オルソン…。パパラード経由でAlienやNY周りにライダーとリンクアップするのは自然の流れ的にもみえますが、いろいろな意味でシビアな世界なので、そのあたりの一流メンツと長年動いていけるのには、それなりに理由はあるはずです。
そんなFat Bill氏ですが、現在かなりヤバめの作品の撮影に着手しているそうです。年内のどこかのタイミングでお披露目されるようなので、楽しみに待つことにしましょう。メ~ン。
--KE