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森中一誠インタビュー
──FEEL GROOVE

2023.11.13

気鋭フィルマーとタッグを組み、今年9月にVXパートをリリースした森中一誠。テンポ、リズム、グルーヴと三拍子揃ったパートの裏側。

--MK

 

 

VHSMAG(以下V): 最近の調子はどう?

森中一誠(以下M): 最近はデモとかで地方に呼んでいただいたり。変わらずつねに映像は撮ってますね。

V: スケート以外にも写真を撮ったりDJをやったりしてるよね?

M: 楽しくやってますね。写真はずっと撮りたいとは思ってたんですけど、ずっとスケボーに集中しまくってたんで。まあ今もそうなんですけど、やりたいことをやろうかなと思って。昨年の夏に新潟に行ったときに怪我をしてスネを3針縫ったんですよ。それでこのタイミングでいろいろゲットしようみたいになって。それでフィルムカメラとDJ機材の両方を買った感じですね。

V: Radio八ツ橋って名前でDJしてるんだよね。

M: そうですね。現場は20回くらいとか。まだ1年経ってないんですけど、結構いろんなとこでやらせてもらったり。あとヘナン(・ペレイラ)とパーティも作ったりしてて。そこでいろんなDJを呼んでやったりもしてます。主にディスコチューンですね。

V: ミックスはSoundcloud(soundcloud.com/issei-morinaka)で聴けるんだよね? 写真に関してはその後どう?

M: Pretty Solidとか京都とかで個展をやったり。DJイベントで飾ったりとか。スケボーで結構いろんなとこ行くんで、そのついでに撮ってる感じですかね。それで額に入れて作品にするっていう。

V: かなりこだわってそう(笑)。スケートから受ける影響はある?

M: 音楽はいろんなジャンルを聴くんですけど、スケートビデオの影響もありますね。自分の今のDJは昔の'70年代とか'80年代とかのソウルファンクとかディスコ。昔の映画も好きでその影響もあります。昔の映画はフィルムで撮ってるんで、あの淡い感じとか。それでフィルムカメラにも繋がるって感じですかね。

V: では今回のビデオパートについて。撮り始めたきっかけは?

M: フィルマーのけんてぃがPEACE N LOVEの試写会とかやってるのは見てたんですよ。いろんなフィルマーと動いてきたんですけど、2年ぐらい前にVXで撮ってもらいたいと思う時期があって。それでそのタイミングにけんてぃから「撮りませんか」って連絡が来て。それで今回のパートを撮ることになりました。

V: VXで撮りたいと思ったのはなぜ?

M: やっぱりVXには「スケートビデオ」っていう味があるんで。HDでも撮ってるんですけど、VXの映像も撮れたらベストかなと。

V: 今回のパートはこれまでのものと比べてどうだった?

M: けんてぃは結婚してるんで、撮影のタイミングは週1とか2週間に1回とか、街中でみんなで動いてって感じでした。そのときに撮っていった映像をまとめたのが今回のパートです。わいわい楽しみながら大勢で動いた感じですね。今回は絶対っていうこだわりはあまりなくて、とりあえず溜まってきたからパートになったって感じですかね。

V: けんてぃと動いてどうだった?

M: めっちゃ面白いっすね。スポットはだいたい東京の街中なんで。他のフィルマーやったら「ここで昼の撮影はちょっと厳しいやろ」って思う場所でもお構いなく「行きますか! やっちゃいます?」みたいな感じで。そういうノリなんで(笑)。

V: でもやっぱり安全な公園とかより街中を攻めてる感じのほうが観てて面白いよね。でも最近ストリートが厳しくていろいろ問題になることもあるけど、その辺はどうだったの?

M: 「もうやめとこか」っていう…なんか直感ですかね。駆け引きというか。現場の雰囲気で「もうぼちぼちやめといたほうがいいな」みたいな。「一旦、このエリアから離れようか」とか。

V: あまり深追いはしなかった?

M: そうですね。何回か同じスポットに通ったりとかはあったんですけど、連続で戻るってことはできるだけしなかったですね。次の週にもう1回行くくらい。スポット的に「ここは絶対撮りたい」っていうのはあったんですけど、今回のパートはその場その場で撮れていったものをまとめた感じです。

V: では今回のパートで思い入れのあるトリックは?

M: 最後のキャバレリアルノーコンプライのマニュアルですかね。あそこには結構前にNike SBの撮影でも行ってるんですけど、キックアウトとかで撮れなくて。今回もキックアウト食らったりとか雨が降ったりとかで、あそこだけは3回ぐらい行きました。いつも惜しいところで警察が来るんですよ。でもあの日は雨が降ってたからあまり人も歩いてなかったから。あれは結構やりましたね。

V: あのマニュアルは見たことなかった。

M: あれはたぶんNBDだと思いますね。あれは「森中マニュアル」っていう名前をつけようかと(笑)。

V: スミスのバリアルフリップアウトもキレが良かったよね。

M: あれはずっと撮りたいと思ってて。インスタとかでできそうなスポットを見つけてトライしました。都内でゆっくりレッジトリックを撮れる場所もなかなかないんで。あそこもキックアウトされるんですけど、最後のマニュアルと一緒であそこも狙って行きましたね。

V: やっぱり切れ味が鋭いよね。観てて気持ちいいというか。

M: でもたしかにスムースさは自分のスケートのモットーとしてあるかもしれないです。流れっていうか、フロウ感のあるスケートが結構好きで。ノープッシュのラインとかリズム感とか。デニス(・ブセニッツ)とか、スピードが速くてテクで。ゆっくりでテクニカルっていうよりかは、ハイスピードで流れのあるボビー・デカイザーとかルイ・ロペスとか。流れがあって、おしゃれで、テクくて。そういうのが好きかもしれないですね。

V: ちなみに今回のパートの曲もRadio八ツ橋がかけそうな'80年代のディスコソングだよね。

M: 曲を決めるのには時間がかかりましたね。けんてぃと話しながら進めたんですけど、最初は2曲使いにする話もあって。さらにはミックスにしようって話になったり。それで実はパート用にミックスも作ったんですよ。いろいろ試しましたね。ボーカルを足してみたり。結局いろいろやったんですけど、この1曲だけにしようということになりました(笑)。

V: 今後は? 写真と音楽でやりたいこととかある?

M: 今はいろいろ考えてますね。写真を撮り出してやっと1年ぐらい経って、好きな雰囲気とかがわかってきたんで。とりあえず個展のいいアイデアが生まれてきてるんで、それをやろうかなって。あとDJはヘナンとのFeel Grooveっていうイベント。音楽に関してはDJをやってたらなんか物足りなくなってくるっていうか。今後はビートメイキングもやっていきたいですね。自分の曲が欲しいというか(笑)。

V: 自分だけのトリックの次は自分だけの曲ね。そういえば森中はんのスケートにはグルーヴがあるよね。スケートに関して今後やりたいことは?

M: まだ公表はできないですけど、音楽と融合できる新しいプロジェクトを進めてます。日本ならではの何かがあっても面白いかなって。楽しみにしててください。

@isseimorinaka

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