気がつけば中年になっていました。それを感じるのは体力の衰えといった老化現象だけでなく、歴史的スケーターの存在を知らない若い世代に出会ったとき。たとえばカリーム・キャンベル。
この人は'90年代にWorld Industriesの看板ライダーとして活動し、Menace(後にCity Starsに改名。米坂淳之介も所属)やAxionなどを立ち上げたプロスケーター・実業家。強靭なポップ、スキル、スタイル、ファッションセンス、カリスマ性などすべてを持ち合わせた唯一無二の存在。ナケル・スミスの叔父でもあります。そんなカリームはいつしか自分や家族との時間を大切にするために多忙を極めたスケートインダストリーと距離を置き、現在はテキサス州ダラスを拠点に不動産業をはじめとするビジネスを営んでいるとか。そして先日、自身のポッドキャスト番組『GHETTO BIRD』のスタートを機に再び表舞台に。
ちなみに番組名の「ゲットーバード」とはスラングで、ゲットーエリアの上空を旋回するLAPDのヘリコプターのこと。さらにはハードフリップの空中リバートの愛称でもあります(ノーリーでも可)。なんでもこのトリックをヨーロッパコンテストのヒップでカリームが実践した際、両腕を広げて宙を舞う姿がゲットーバードに酷似していたからだとか。その名付け親はMenaceの盟友で家族がLAギャングとして知られるフェイビアン・アロマー。カリームを知らないヤングスケーターはフェイビアンの存在も知らないとは思いますが、ゲットーバードと併せてカリームの名パートをどうぞ。
--MK