スケートボードが五輪デビューする東京オリンピックまでいよいよ2週間を切りました。25日の男子ストリートを皮切りに、スケート史に新たな1ページが刻まれます。そんなことを考えながら、初めて観戦したコンテストを思い出しました。
遡ること33年、1988年7月30日。当時住んでいたアメリカ・ワシントン州シアトルで行われたGotcha Grindというバーチカルの祭典。トニー・ホークやクリスチャン・ホソイをはじめ、ランス・マウンテンやクリス・ミラーなど当時の人気プロが集結していました。それが自分にとってヒーローたちの滑りを初めて生で見た瞬間。このときの自分は13歳。雑誌やビデオテープでしかプロスケーターを見たことがなかった少年にとっては刺激が強すぎて失禁寸前。彼らの滑りに興奮しながら持参したカメラのシャッターボタンを連打した思い出があります。
そんなGotcha GrindのビデオをYouTubeで発見しました。懐かしすぎて震えたのは言うまでもありませんが、改めて観て気がついたことが。なんとトニー・ホークが実験的に逆スタンスでの滑りを披露していたのです(47:49〜)。当時はスイッチスタンスという言葉すら存在していなかった時代。とにかくスイッチスタンスをバーチカルに取り入れるのが早すぎて仰天。こういう新たな発見があるのも昔のスケートビデオの醍醐味でしょうか。
とにかくこのビデオを観ながらいろんな思いが込み上げてきました。ランプの面に大きく見えるBikefactoryとは自分が初めてちゃんとしたコンプリートを買ってもらったショップだったこと。スケートメディアという仕事を通してこのビデオに登場する当時のヒーローたちと会ってゆっくり話をすることができたこと。ジェフ・グロッソに至っては、その31年後に一緒に日本で仕事をすることになったこと。
ちなみにオープニングで入場を待つ群衆の中に当時の自分を見つけました。形は変われど、それから30年以上経った今も変わらずスケートボード中心の生活を送っているとは…。「これから当分スケートボード三昧の人生ですよ」。私事で恐縮ですが、13歳の自分にそう言ってあげたいです。
--MK
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