カンヌを拠点に活動するルーカス・ビューフォート。スケート誌の表紙や写真に施すパステル調の奇妙なモンスターで注目を集めるフランス人アーティスト兼スケーター。スケートコミュニティには自称も含め、数えきれないほどのアーティストであふれています。ただし、この人はまさに才能の塊。
その活動を振り返ると、デッキやアパレルなどさまざまなブランドとのコラボをきっかけにグローバルな認知を得てきたわけですが、彼のようにドローイングという平面的な創作に留まることなく表現の場を映像へと広げたアーティストは珍しい存在と言えるでしょう。というのも、『Devoted』というスケートメディアをテーマにしたドキュメンタリー作品を2017年にリリースしているのです。'90年代が彼にとって特別な時代とのことで、当時のシーンを築いた紙媒体の重要性を改めて検証するのが本作の目的とのことでした。世界中のメディアや重要スケーターを取材するために、ヨーロッパ諸国、オーストラリア、アメリカなど世界中を飛び回り、オンラインメディアであるにも関わらずVHSMAGを取材するために来日までするという力の入れよう。「妥協なし。やると決めたらとことんやり抜くのが信条」、そして自身を「情熱あふれるワーカホリック」と取材中に言っていたのを思い出します。その言葉を裏付けるように、本作に登場するのは世界各地の誰も文句の言えない面々ばかり。
そんなルーカスがSTANCEとタッグを組み、コラボソックスをリリースしたようです。In the Middle of Somewhere(※どこかの真ん中)とStuck in Traffic(※渋滞で立ち往生)というルーカスのアートワークを全面に配した2種類のソックス。これまでにスケーターやアーティストといったインフルエンサーをサポートしてきたSTANCEだけに、ルーカスとのコラボは実にメイクセンスする内容。
ということで、STANCEとのコラボソックスと併せてルーカスが手がけた『Devoted』を改めてどうぞ。ちなみに、作品のテーマや質問の内容を事前にまったく聞かされず、英語でのインタビューだったということもあり上手くしゃべれず。採用されたのは堀米雄斗の凄さを話した下りのみ。仕事柄、これまでに数百ものスケーターにインタビューをしてきましたが、改めて受け手の大変さを思い知らされると同時に貴重な機会を最大限に活用できない地獄の時間でした…。
--MK