スケートブランドは世界中に星の数ほど存在します。それぞれのブランドにはファンがいて、長寿から短命なものまでさまざま。その歴史が長ければ長いほど、ブランドはその特色を強く打ち出しファンを魅了し続けているのではないでしょうか。
以下のドキュメンタリー映像に登場する11歳のマーティ少年もとあるスケートブランドのフォロワー。彼が他のティーンスケーターと違うところは、トレンドの最先端をリードするスケートカンパニーに夢中になるのではなく、40年以上続くカナダ最古のスケートブランドSkull Skatesの大ファンであり、'80年代のスケートとパンクをこよなく愛するところ。PUNKという言葉を英和辞書で調べると「くだらない人間」や「チンピラ」などあまりいい意味は記されていません。しかしマーティは彼自身の考えるパンクという信念を持ち、未来に向かっているように映ります。映像で語る考えや挿入歌のリリックに見るパンクのメッセージはどんな人にでも、特に10代には共感する部分が多いのではないでしょうか。
こちらに登場するスケートパークは40年以上の歴史を誇るカナダのChina Creek、そして今作を手掛けたマイク・マッキンレイはNational Geographicなどの映像を手掛けているクリエイターにしてスケーターといった点も注目すべきところ。スケートカンパニーがリリースするプロモーションビデオとはひと味違う作りですが、ムービーを観た後はパンクロックを爆音で聴きながらスケートで爆走したくなるような作品です。
厳戒態勢の今は、安全な室内で普段できないさまざまな追求をするまたとないチャンスと思いたい。コロナ騒動が終息したらその成果を滑りにぶつけよう!
—Hiroyuki Wakabayashi