現代版『KIDS』とも呼べるスケートムービーでたぁ! 進路に揺れるスケーターの葛藤を描いた青春群像劇。わかりやすいストーリー展開はさておき、スケーターなら10倍楽しめるディテールが詰まった秀作。メガホン(表現が古っ!)を取ったのはLAストリートシーンを席巻するIllegal Civilizationを率いるマイキー・アルフレッド。スケーターとしてハリウッドに本格的に進出した若手フィルムメイカー。配役はもちろん、ヴィヴィッドな色使いやミュージックセンスに至るまで、マイキースタイル全開の世界観が斬新。主演のライダー・マクラフリンのスケートフッテージがエグいのと、ディル、ケイダー、ナケル、アティバ、P・ロッドなどゲスト出演のスケーターが豪華。中でも、準主役を演じている最近Netflixやらモデルやらで引っ張りオクトパスなニコ・ヒラガのキャラ(地で行っている)が飽きさせません。
前述した、現代版『KIDS』というのは、'90年代のNYヤングサグライフと対象にLA郊外(North Hollywood)の中流層(普通のスケーター)の話であるってところ。'90年代風のサグいスケーターを無理くり表現するのではなく、どこにでもいるような中流階級のスケーターの話であるところがリアルだし、日本の若いスケーターたちも感情移入しやすいはず。日本だと劇場公開もされず宙ぶらりんとなっていた作品ですが、今ならご自宅でご覧いただけます。2022年5月13日から9月30日までU-NEXTにて独占配信中とのことなのでこの機会をお見逃しなく。個人的には、North Hollywoodのシンボル(?)とも呼べるスケーター御用達のCircus Liquerが出てきたり、父親役のヴィンス・ヴォーンのツッコミ具合がツボ。最後まで?だったのは、ICクルーでもないボビー・ウォレストの存在感(爆)。
─KE