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東欧の技巧
──PAWEL SWANSKI

2019.12.05

 パヴェル・スワンスキという人をご存知でしょうか? 1980年にソ連の支配下にあったポーランド・ワルシャワで生まれ、10歳頃まで社会主義体制下で育ったアーティスト。'90年代に突入すると民主化運動が一気に高まりやがてスケートボードと出会うことに。人生の最初の10年を抑圧された環境で過ごしたもあり、自由の象徴であるスケートに惹かれたとのこと。いわばずっと色彩のないグレーの生活に、突然カラフルなアメリカの文化が入ってきて世界が一変したような感覚。
 初めてのデッキを手に入れたのは'93年、13歳の頃。細いデッキに極小のウィールというのが当時のトレンド。ただしアメリカの最新のギアが入手困難だったということで'80年代の極太のデッキと巨大なウィールを購入し、小さく削って乗っていたのだとか。この頃からものづくりのDIY精神が深く根づき、スケートと並行してアーティストの道を選ぶことに。それも表現という自由を謳歌したかったからだと推測できます。
 スケートコミュニティでの初めての仕事はポーランドのスケート誌、Dos Dedosのレイアウト。後にドイツに移ってさまざまなスケーターと出会い、'01年にClichéのボードグラフィックを担当。そこからはGirl、Lakai、Elementなど、さまざまなチャンスが舞い込んできたとのこと。
 そんなパヴェルが来日中で、千葉のBond Skateparkで壁画を制作するという情報を耳にし会場にお邪魔してきました。彼の作風は日本の妖怪や幽霊にも影響を受けているということで、それがモチーフにも現れていると思います。ということで、パヴェルが今回手掛けた壁画と併せてここ最近の作品をチェック。今後もElementをはじめとするスケートブランドとのコラボも予定されているということなので、そちらもお楽しみに。

--MK

 


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