先日、神楽坂にあるフランス文化センター、東京日仏学院で〈RIDING MODERN ART〉という展示を観てきました。これはラファエル・ザルカというフランス人アーティストがキュレーションした写真展。展示されるのは世界中の街のパブリックスペースに設置された彫刻とスケートを融合させたモノクロ写真の数々。
スケーターにとっては見慣れた光景ですが、あらためてアート作品でトリックを披露するスケーターの写真を何枚も目の当たりにすると圧巻。ストリートスケーターは街に点在する建造物を独自の視点で再解釈し利用するものですが、改めてこのように提示されるといろいろ考えさせられる。「私の興味はスケートボードにとどまらず、基本的に流用と再利用のプロセスにある。アート作品へのこのアプローチは、野蛮というよりもむしろ、無礼と言えるものだが、近代彫刻の明確なダイナミズムをとりわけ強調している」とはこのアーティストの言葉。これには納得。
ちなみに銀座のエルメス8FのギャラリーLe Forumでもグループ展の一環としてザルカが手掛けたスケートセクションが展示されています。さらには両会場で特大ポスターを配布中。ストリートスケートの締め付けが厳しさを増す東京で、格式高い東京日仏学院とエルメスがこのような展示をしていることに驚きを隠せません。スケートボードがスケートコミュニティの外でもアートとして捉えられる日もそう遠くないかも、と思える空間でした。
東京日仏学院の展示は4月21日まで、エルメスLe Forumは5月31日まで。気になる人は以下の公式サイトをチェック。
東京日仏学院:culture.institutfrancais.jp/event/exposition-riding-modern-art-by-raphael-zarka
Le Forum:www.hermes.com/jp/ja/content/maison-ginza/forum/240216/
—MK
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