いつの時代にも並ならぬ才能を持ちながら突如シーンから消えてしまうスケーターがいます。酒やドラッグに溺れてスケートする頻度が著しく減ったり、素行の悪さでインダストリーの信頼を失ったり、その原因はさまざま。今回のタイトルであるライアン・ファブリーも判断を誤ってキャリアを絶たれた類。
この人は'91年に発足したPlan BのOGメンバー。つまり世界中の注目を集め、当時の誰もが憧れたエリートチームの一員。そんな彼がどうしてシーンから追放されたのか。それはPlan Bのチームメイトであるショーン・シェフィーの妻を寝取ったから。正しくは、寝取ったというより、パーティ三昧のなかで前後不覚となり、気がついたら過ちが起こってしまっていたのだとか。当時のシェフィーはマイク・タイソンばりの暴れん坊。Wu-Tangのライブ中にMethod Manのマイクを奪おうとしたほどの狂人。そんなシェフィーへの裏切り行為が許されるわけなく、しっかり肉体的制裁を加えられた上にチームをクビ。その後はBirdhouse、Toy MachineやEvolに移籍したようですが、正直記憶にありません…。Plan Bをキックアウトされた時点で実質的にゲームオーバー。
ちなみに余談ですが、Plan Bのデビュー作『Questionable』の撮影時は精神状態がカオスだったのだとか。というのも、スケートとはまったく関係ないキャンプ場で仲間にアシッドを酒に盛られ、精神崩壊寸前まで追い込まれたそうです。悪夢のようなバッドトリップの経験が頭から離れない状態で撮影していたため、悔いの残るパートになったとのこと。散々です。
ということで、そんなライアン・ファブリーのパートをどうぞ。キャンセルカルチャーが蔓延するこのご時世、判断を誤ってすべてが終わることもあるので何事もほどほどに。
--MK