Nation(S.K.T Nation)は'90年代前半に刊行されたスケートボード誌で、故・西岡昌典とCalifornia Streetのオーナーでもある藤原英彦のふたりにより作られていました。
当時アメリカ(カリフォルニア)を訪れていたスタッフならではの現地と日本のシーンを取材した鮮度の高い内容で、1年ほどのタイムラグがあったアメリカの最新情報をいち早く知ることができる内容。デビル西岡氏は渡米する日本人スケーターたちをアメリカのスケートコミュニティに紹介し、両国のシーンの架け橋となった人物。編集長を務める藤原氏はスケートショップ経営者という立場を活かし当時少なかった滑走可能な場所を提供したり、最新情報をいち早く掲載することで日本のシーンの底上げに尽力しました。
そんなNationの映像があることを30年近く知らなかったので、存在を知ったときは感動しました。撮影・編集は藤原氏で、当時江東区にあったAme’s Skateboard Parkで全編が撮影されました。登場するライダーもレジェンドばかり。出演者の何人かは現在も滑り続けていることにも驚きです。そしてNation Media担当から聞いた話によると、映像はこれ以外にも'93年にSFで開催されたコンテスト、Back to the Cityを撮影したものも存在するのだとか。
'80年代後半に起こったスケートボードブームが落ち着き、後に起こるストリートブームの基盤が出来上がっていった時期が'90年代前半。映像の前後に収録されたCMやセクションに描かれているグラフィティアートも興味深いので併せてお楽しみください。
—Hiroyuki Wakabayashi