'80年代や'90年代のマニアックなスケート情報を発信するSame OldのYouTube動画が超絶マニアック。毎回、洞察力に富んだ内容で感心します。というのもホストはボビー・プーリオ。彼が長年気になっていたスケートにまつわるあれやこれを紐解こうという内容。
とりあえずプーリオの視点のオタク度が振り切りすぎていてヤバい。ランス・マウンテンやトム・グロホルスキーが'80年代に住んでいた家を訪ね、数十年前に存在したバックヤードランプの形跡を探したり、'86年にオーシャンサイドで開催されたコンテストの跡地に足を運んだり、'90年代にマット・ヘンズリーが着用していたTシャツの謎を紐解いたり。誰も気にしないというか、すっかり忘れているようなトピックを掘り下げていきます。特にマーク・ゴンザレスに対するパッションが強すぎて、'85年から'91年にかけてゴンズがヒットしたスケートスポットを訪ねて解説するエピソードが面白い。
最後にプーリオがビデオーパートを公開したのは2013年。しかも何の宣伝もせずにYouTubeに投稿し、口コミだけでどれだけ拡散されるかという実験的な試みで“V5”(www.youtube.com/watch?v=UAemJg227Zg)というパートを発信しました。それ以降は自身のIGでたまにクリップをアップするくらい。特にスポンサーもなく、街で拾ったゴミで創作するアート活動と並行して現在はSame Oldと組みスケート史の謎を解明しております。
元TWS編集長ジェイミー・オーウェンスのCLOSERやオタク度100%エリック・スウィッシャーのChrome Ball Incident、そしてSame Oldのプーリオなど、このような文化活動をしているスケーターはやはり貴重な存在。リスペクトしかありません。ということでプーリオの熱狂的、偏執的ともいえるエピソードをいくつかどうぞ。
—MK