The Nine Clubのエピソード160がパねぇ! なにしろゲストはソクラテス。ギリシャの哲学者と同じ名前を持つ、World系のビデオの数々を手掛けてきたフィルマーの鑑。「誰それ、知らない」っていうアンダー40は今すぐ『Love Child』と『Tim and Henry』を69回観ましょう。オーバー40の業界関係者で知らない人は今すぐとらばーゆ。
ソクラテスの功績についてはまた別の機会に紹介しようかと思います。『Rubbish Heap』や『Video Days』といった初期のWorld系作品はスパイク・ジョーンズが手掛けていたのですが、その跡取り(?)的な形で専属フィルマーに抜擢されたのがソクラテス・リール。Ep160では目から鱗が落ちるような興味深い話の数々が語られているのですが、中でもブチ上がったのがスケートコミュニティ内での都市伝説について。
以前にもどこかで書いた記憶があるけど、'90年代にWorld系のビデオで度々登場していたLAXのそばにあった有名Wセット(通称インペリアル)での逸話。101の『Falling Down』でゲイブリエル・ロドリゲス(RIP)がBs 180をやっているのを見たのが自分の中ではお初。その後『Snuff』でディルがBsフリップ、ジーノがSsフリップをメイクしている映像はあまりにも有名。ジェレミー・レイがフェイキーヒールやSs Bsフリップをメイクしたりとリストは続くのですが、結局映像で出てこなかったのがひとつあります。それが今回ソクラテスが語ってくれた、ガイ・マリアーノのSsトレ(当時はSs 360フリップ)。1993年頃に「ガイがSsトレをインペリアルでメイクした」って噂は当時話題になりましたが、待てど暮らせどそのフッテージは出てこず…。結局メイクしてないんじゃないかって言い出す不届き者も現れたりで、その話は都市伝説化。そうこうしているうちに2020年になっちゃいましたが、結論から言うとガイ・マイアーノはSsトレをメイクしておりました。しかも完璧メイクだったということです。なんでもソクラテスのビデオカメラがなんらかの理由でRECされないタイミングでまさかのメイク。撮れていなかった旨をガイに説明すると「Don’t worry about it…(心配するな)」と労いの言葉をかけ、そのまま車のトランクにデッキを放り込み帰ってしまったようです。いかにもガイ・マリアーノらしい逸話なのですが、事の真相が20年以上経って解明されることになるのは神童たる所以なのかもしれません。
長文になりましたが、最後は名前繋がりで哲学者ソクラテスの言葉で駄文を締めくくらせてもらいます。「私が知っているのは、自分がなにも知らないということだ」。アーメン。
─KE