観よう観ようと先送りにしていたドキュメンタリーをようやくチェックしました。レイシー・ベイカー改めレオ・ベイカーの成功への道のりと性自認の葛藤を描いた『ステイ・オン・ボード』。
レイシーとして活動していた頃は女性として数々のコンテストを総ナメ。その当時、この人がクィアでありトランスジェンダーの男性であるとは知りませんでした。というのもトランスであることをカミングアウトすることなく自身の性自認を伏せていたから。女性という枠にはめられ、スポンサーが望むマーケティングに使われ、髪を短く切ったことでスポンサーを切られた経験もあったようです。乳房切除術、そしてオリンピック辞退。昨年公開されたSpitfireパートで上半身裸で滑るレオを観てビックリしたのを覚えていますが、その裏にはこのドキュメンタリーで描かれたさまざまなストーリーがあったわけです。
現在はクィアの仲間とGlueを運営しながらビデオ撮影三昧の毎日。男性か女性しか選ぶことが許されなかった生きづらい毎日から解放され、自分らしさを全面に出し笑顔を見せるレオに感銘を受けました。
ちなみに本作のディレクターはジョヴァンニ・レダ。スケーターが手掛けているところにもグッと来ます。なにはともあれ、気になった人は是非観てください。いい作品です。
--MK