
これまで、スケートデッキには多種多様なデザインが落とし込まれてきました。スケーターが手掛けた作品から、世界的なアーティストによるものまで、その表現は実に幅広い。そんななか、スケートデッキを通じて社会貢献にも挑むのがTHE SKATEROOM。
2014年以来、THE SKATEROOMはB Corp(環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられる認証)として、世界の著名アーティストと協力しながら、スケートや教育を支援する国際的な非営利団体やプロジェクトをサポートしてきました。これまでに40以上のプロジェクトを支援し、累計170万ドル以上の資金を提供しています。
その原点となったのは、アフガニスタンで活動するSkateistanとの出会い。適切な施設やリソースがあれば、世界の恵まれない地域の若者たちがより良い未来を切り拓く力を得られる。その現実を目の当たりにしたことが、THE SKATEROOMの社会的企業モデルの礎となりました。このモデルは、アーティスト、アート購入者、美術館、ブランド、非営利団体をつなぎ、アートとスケートを通じて新たな価値を生み出し続けています。
これまで協業してきたアーティストも実に豪華。マーク・ゴンザレス、エド・テンプルトン、レイモンド・ペティボンといったスケート界おなじみの顔ぶれに加え、ジャン=ミシェル・バスキア、アンディ・ウォーホルといったレジェンド級のアーティストも名を連ねています。さらに、アイ・ウェイウェイ、シャーロット・デ・ウィッテ、ミシェル・ラミーのLAMYLANDなど、ジャンルを超えた幅広いコラボレーションが展開されているのも特徴。
なかでも個人的に衝撃を受けたのが、ジム・ジャームッシュの参加。デッキシリーズを手掛けただけでなく、ビアトリス・ドモンドとタッグを組みショートフィルムまで制作。これはジャームッシュにとって初のスケートプロジェクト。
スケートカルチャーが他ジャンルと交差し、新しい表現が生まれる瞬間を目撃できるのはやはりうれしいもの。そんなわけで、ジム・ジャームッシュが手掛けたモノクロのショートフィルムをぜひチェックしてみてください。
—MK