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中年スケーターの鑑
──TOKYO ZOMBIE

2022.05.02

 SLDより上野朋大のビデオパートが公開されました。なんでも今回のパートは同ブランドのウェルカムパートから2ヵ月後のリリースということで、夜な夜なストリートに繰り出していることが伺い知れます。エンジョイスケートに移行することなく貪欲にパート制作に打ち込む姿はまさに中年スケーターの鑑。そのアツいパッションにリスペクトを表するという意味も込めて、ミニインタビューとともにパートをチェック。

--MK

 

VHSMAG(以下V): まず今回のパート撮影のきっかけは?

上野朋大(以下T): 「SLDに乗りたい、一緒にやりたい」って自分からイトシンくんに声かけたのが始まりなんですけど、もともと撮影・制作はずっとしてるので、今までのままSLD名義でパートを作ったって感じです。撮影は紹介されたマーくんとしたんですけど、知った仲だし違和感もなかったです。

V: 前回のパートからあまり時間が空いてないけど、どれくらいの頻度で動いてるの?

T: こないだSLDのウェルカムパートを上げたばかりですけど、実は今回のパートのほうが先にできてました。撮影を終えたのが2021年の末くらいで、2022年になってひとまずノルマとして週1のペースでフッテージを残そうとやってたらサクサク撮れてたんで。「ミニパートができちゃうな、自分のバースデーに合わせて行こうかな、名目はウェルカムパートにしちゃおう」という感じでした。

V: 1日のルーティンはどんな感じ? いつも深夜に動いてる印象があるけど。

T: 夜勤をしてることが多いんですが、仕事の合間にサクっと滑ります。昼に何もなければ日暮れくらいまでもう1ラウンド滑ります。だから夜中は仕事があろうがなかろうがほぼほぼ滑ってますね。夜中の街で滑るのがベストだなーと思ってます。夜中は人が少ないし、東京は滑れる場所だらけです。

V: パート作りのこだわりは?

T: パートの感じはそのときのフィーリングなんですけど、過去の自分をなぞりすぎないようにと思ってます。同じ感じはつまらないですからね〜。自分的に今回のパートは構成、スポット、トリックチョイスなどクリエイティブな感じを出そうかなって感じで。ウェルカムパートのときはシンプルでスピード重視の気持ちいい感じで行こうって感じでやってました。

V: セキュリティの厳しさ、かわし方は?

T: 街中でよく滑るから「ここはセキュリティが早い」とかの感じは掴んでるので。10発以内に仕留められる感じでやってます。その結果、テクニカルなフッテージは少ないんですが、「それは自分のスタイルなんでこれでいいや〜」って思ってます。セキュリティとかと揉めたりするの好きじゃないんで、忍者スタイルが多いですね(笑)。揉めてその場所が滑れなくなるのは悲しいですし、「その周辺に敬意を持って迷惑かからないように」みたいな気持ちは他のみんなより強いかもです。

V: 今回の撮影中に起きた事件などは?

T: 忍者スタイルで行くときに緊張してかわからないんですけど、打ち始める前に腹が痛くなることが多いです。トイレが近くになくて野グソすることがあります(笑)。

V: スケートで譲れないことは?

T: 逆にスケートに関してみんなと違うこと、過去の歴史を越えようみたいなこだわりは少ないです。スケートは個人的な世界だと思ってるんで、「過去の自分を1mm越えよう、自分にとって新しいことをやれるように」っていう意識で毎日滑ってます。

V: 半裸率が高い理由は?

T: 上半身裸が多いのは単に気持ちいいからですね。疾走して風を感じたいです(笑)。

V: 今のスケートシーンについて思うことは?

T: 今はインスタやYouTubeでみんなのスケートが観れちゃう。それは楽しいことだし参考事例が多ければ学びになるんでしょうけど、あんまり既存のテクニックにこだりすぎず、その人らしくスケートしてくれたら面白いかな〜と思います。

V: 最後に一言。

T: 長〜い間ノースポンサーのときから思っていたんですけど、「サポートされてる以上もっと滑ってよ」って憤ることが多かったです。スポンサーを得てから滑る時間が減ったってのは本末転倒だし、「だったらオレをサポートしてよ〜、もっと滑るぜっ」て思ってました。サポートされてる人はパートで観せる使命があると思います。人ぞれぞれなんでま〜いいんですけど(笑)。ま〜、オレは滑るぜって感じっす。


 


Photos_Kohei Hayashi
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