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RONEディレクター
──TONY FERGUSON

2023.05.01

 先日、New Balance Numericからティアゴ・レモスのシグネチャー1010とRONEのコラボがリリースされました。こちらのRONEを手掛けるのがタイトルのお方、カナダ出身のトニー・ファーガソン。と言っても、'90年代を知らないスケーターには馴染みがないと思うので、今回は少しばかり彼について。
 まず彼のキャリアが始まったのはH-Streetのフロウを経て、トミー・ゲレロによってRealのスターティングメンバーとしてフックアップされた'90年。そして同胞リック・ハワードを通してPlan Bに移籍。歴史的作品『Virtual Reality』でパートを残してその知名度は世界規模に。そしてGirlへと移り、『Goldfish』『Mouse』や『The Chocolate Tour』に出演しています。
 この人はどちらかと言えばスター選手というよりはスパイス的な立ち位置というか、センスで勝負するタイプのスケーターだったと認識しています。バック3やBs 180キックフリップなど、持ち技も厳選されていてスケートスタイルも華麗。
 2000年代半ばにプロを退きますが、そこから彼のスニーカー愛が花開いていきます。まずNYのストリートウェアブランドのAlifeでスニーカーのデザインを開始。その他シューズブランドのコンサルを経て、スニーカーをハイエンドに昇華させるRONEを2015年にスタート。ざっくりとですが、これがトニー・ファーガソンのキャリア。
 そして'90年代のスケーターにティアゴ・レモスがリスペクトを払い、今回のコラボが実現したというわけ(NM808のプロモビデオでヘンリー・サンチェスやジェフ・パンがゲスト出演したとき同様)。しかもティアゴがスケートを始めたのは2000年代初めということでリアルタイムで'90年を知らないはずですが、ちゃんとスケート史に精通しているところが流石。
 なにはともあれ、トニー・ファーガソンのショートパートをいくつか貼り付けましたのでチェックしてください。やっぱり何でもできる万能スケーターより、トリックセレクションとセンスで勝負できるスケーターにぐっと来ます。

─MK

 




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