The PEACEというクルーが面白い。神奈川を拠点に活動する、全員10代のフレッシュな5人組。DOIN’ ITでのフルレングスビデオの公開が記憶に新しいが、手探りで制作された彼らの映像はどこか温かく懐かしく、オリジナリティに溢れている。
今回のRandomではそんな彼らの経歴をちょっとご紹介します。
メンバー5人はみんな小学校低学年の頃からコンテストに参加し、バチバチのライバル同士だった。そんな彼らが憧れのチームなんかを意識する年頃に差し掛かり、飯田泰彦(当時小6)と傳田 郁(当時小4)がチームを作ろうと意気投合。たまたまふたりの間でデッキテープにピースマークを書くのが流行っていたことから、The PEACEと命名された。その後、佐川 涼と有馬昂希、そして当時天才少年と称されていたKが加入。
次第に、誰かがボロボロのビデオカメラを持ち出し、ストリートに出掛ける日々が増える。ウェブサイトも自分たちで立ち上げ、チルなフッテージのショートクリップを掲載。神奈川の三浦半島でテントを張ってスケートキャンプなんかもやっていた。その頃から追い撮りにソフトウィールを使い始めたり、どこからかGoProを借りてきてリモートで2カメ撮影をしてみたり、モノ創りの楽しさを感じ始めていた。
そんななか、天才少年Kがスケートから遠ざかったことで、メンバーは4人となってしまう。
もともとレギュラースタンスだけでチームを構成することにこだわっていたそうだが、佐川海斗(グーフィー)から熱烈オファーを受け、こだわりを捨てあっさりと大歓迎で迎え入れる。海斗は密かにThe PEACEへの加入を望んでいたが、ずっと言い出せずにいたそうな。
これを機に、今までの撮影雰囲気が徐々に変わっていく。チルには変わりないが、質が変わったように見えた。海斗の「せっかく撮影に来たんだから、何かしらカットは残すっしょ」という姿勢がみんなを刺激し、徐々にスポットに自分のスケートを適応させる術を覚えていく。次第にメンバー同士で溜まったカット数を競い始め、その日撮影に行ったヤツがゲットした映像をグループLINEに載せて自慢し合うことも始める。ハンマーが撮れたときにはLINE大炎上(笑)。
そうこうしながら約9ヵ月、自然な流れの中でなんとかパートが作れるほどにカット数が溜まっていき、その映像がVHSMAGでの公開へとつながっていったのです。
そんな彼らは今、新しい機材と、愛と平和を求めている。
--TD(Text & Photos)
傳田 郁
佐川海斗
有馬昂希
佐川 涼
飯田泰彦