「いままで撮影してきたスケーターの中で一番メイク率が良かったのは誰ですか?」
先日友人から、こんな問いかけをされました。
一応フィルマーとして、20年以上ビデオカメラを回しています。“一応”というのも、フィルマーとして取り立ててキャリアもないし、連日連夜撮影するガッツもないので、スケートのフィルミングを生業としている人に申し分けなさ過ぎるので“一応”という2文字がついています。
とはいえそれなりの年月ビデオカメラは回してきてはいるので、今までに数えきれない(実際には数えられるだろうけど)人数のスケーターを撮影させてもらってきたわけです。
そんな中で、真っ先に名前が浮かんだのが大阪のハルピョンこと舩橋春貴。2000年代前半にMETROPIAの一員として活動していたメガネがトレードマークのあの人です。
トリックの引き出しの多さ、ボードコントロールの精度の高さもさることながら、特に驚かせてくれたのはラインのメイク率の高さです。難易度の高いトリックの組み合わせのラインを撮影していて、彼ほど撮影が楽だったスケーターは後にも先にも知りません。
そもそもスケートの撮影は時間がかかり(特にラインとマニュアル系は)、物理的な理由(キックアウトとか体力的なことなど)も含めて大変なのが大前提なので、それなりの覚悟の上で撮影に挑んできたわけですが、ハルピョンの撮影が大変だったことは皆無です。「○○の技のコンボを○○な感じで撮影しよう」という提案にコクリと頷き、右手でメガネをクイッと上げるのがハルピョンからのGoサイン。後は楽勝といわんばかりに、高度なトリックをポンポンとメイクする姿をビデオカメラ片手に追いかければいいワケです。
そんなハルピョンですが、現在はスケートから離れて、第2の人生を神戸で送っているとかいないとか。ハルピョンのホームグランドである大阪プールで再び撮影できる日を願って。
--KE