歴史にWhat If…が禁物であることは承知しているが、このカンパニーはあまりにも惜し過ぎた…。'97、8年頃に短命すぎではありましたが、超絶イケてるデッキカンパニーがありました。その名も“Twenty Three (23)”。NBAの神様マイケル・ジョーダンにインスパイアされたわかりやすいカンパニーの名付け親はサル・バービエ。先取りオシャレ軍曹のひとりでH-Street、Plan Bのプロとして活躍した後に、デッキブランド“23”を発足。日本でも一時期流行りまくったAestheticsの前身とも呼べるブランドで、同時期にElwood Clothingを展開したのも彼の功績のひとつ。当時のドリームチームとも呼べる粒ぞろいのラインナップを聞いたときは心臓発作を起こすかと思ったほど。
チーム編成はクライド・シングルトン、ジェイソン・ディル、AVE、ロン・バーティーノ、ドレイク・ジョーンズ。全員ゲロかっけぇーライダーが揃ったのは、個人的見解だけど後にも先にもこのカンパニーだけ。通常ひとりぐらいはイマイチなスケーターがいるものだけど、23に関して言えば完璧。当時流行っていたスポーティなテイストが正直好きにはなれなかったけれど、ライダーに限っていえば最高。「どうせならジェリー・ファウラーも入れてくれ〜」と勝手にシャウトしたものです。
そんな自分のエゴ&願望はどうでもいいのですが、当時大きな話題となった23はわずか1年余でまさかのゲームオーバー。詳しいことはブランドを運営していたサル・バービエのみぞ知るといったところでしょうが、どこかのインタビューで印象的なことを述べておりました。スケーターがカンパニーを運営すると、スケート愛が強すぎて(クリエイティブ方面に注力しすぎる)ビジネス面がおろそかになってしまう…と。アーメン。
─KE
協力_奥野造園