神保町のPAGER TOKYOで発売するやいなや多くのスケーターに注目された宇田川町SPORTSのヘッドホン。’90年代に多感な時期を過ごしていた人にはたまらないSONY SPORTSライクな謎のブランドのあれこれについて、150SPORTSの宇田川氏に話を聞いてみた。
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VHSMAG(以下V): まずはブランドを始めたきっかけについて聞かせてください。
宇田川(以下U): 街なか、空港や電車でも白いイヤホンがいっぱいな様子を見て、そうじゃなくて黄色とグレーなんだよなぁって感じている人が結構いるかもしれない…と話題にしたのがきっかけでした。その話の中で現在リリースしている商品それぞれの原型がアイデアとしていくつか出て、やってみようということで始めました。
V: ブランド名の宇田川町SPORTSとは?
U: '90年代中頃以降のストリートカルチャーやレコード文化をアップデートしたアイテムを展開することが中心ですが、それだけではなくさまざまなコトを表現したかったので、洋服などのセレクトショップではなく架空の“スポーツ洋品店”というコンセプトにすることで、表現できることの幅を持たせました。またSONY SPORTSから「SPORTS」という言葉の不思議なイメージを取り入れました。
V: 渋谷・宇田川町への思い入れは?
U: 当時は渋谷に限らずどこも刺激的でしたが、中でも宇田川町は特別でものすごいパワーのある街でした。当時のあの環境で得た情報や経験が自分たちの人生を大きく変えた(いい意味で踏み外した)と思ってます。
V: ‘90年代のストリートカルチャーの魅力はなんでしょうか?
U: ひとこと「熱量」です。
V: では宇田川さんにとってのSONY SPORTSの魅力は?
U: 日本のメーカーの作った普通の家電製品なのに当時のストリートカルチャーの象徴のようなモノであるというのが唯一無二で他にない不思議な魅力です。
V: ヘッドホン開発エピソードを聞かせてください。
U: 工場を探している時に「そんなもの、いまさら何で必要なんだ?」とか、「そのラインはとっくに潰した」という反応がほとんどで、なかなか見つかりませんでした。それと同時に、今世界で誰も探していないということがわかって、いかにとがりがあるのかを再認識しました。
V: 高性能かつ低価格なコンバーターも非常に人気があります。製作エピソードやこだわりの点を聞かせてください。
U: パーツの選定段階ではデフォルトの端子をイヤホンジャックでなくライトニングなどにする選択ももちろんありましたが、利用の多くはスマートフォンになると想定していたので、充電とイヤホン端子の同時使用ができるようにコンバーターを別で用意することにしました。DJが現場で使ってくれたという反応を貰ったときも端子をイヤホンジャックにしておいて良かったとなりました。
V: スケートショップで取り扱われ、多くのスケーターが愛用してくれていることについてはどう思いますか?
U: 子供の頃からスケーターとダンサーがストリートカルチャーの中心だと思っているので、大変に光栄だし気が引き締まる思いです。
V: 現在宇田川町SPORTSで企画している新作などありましたら話せる範囲でお願いします!
U: ワイヤレスの新型や時計などいくつかの企画が同時に進んでいます。さまざまな制約などをパスして、早く表現できればと思っています。それはそうと、神保町SPORTSで別注というのはどうでしょうか?
V: これまで宇田川町SPORTSでリリースしてきたアイテムについて教えて下さい。
U: 初めにマスクコードをリリースしました。コロナ禍で必須のマスクを少しでもポジティブ使うためにどうしたらいいかを考え、子供の頃こぞって首から下げていたあのヘッドホンのカラーレイアウトに着想して作り始めました。その後マスクコードを複数型リリースした後、ワイヤレスイヤホン、ヘッドホンという流れで展開してきています。いずれも世代を超えたコミュニケーションのネタを売っているつもりなので、例えば家電製品としての販売になるといろんな制約が邪魔くさいこともあり、斜に構えた表現をあえてすることで、当時のお店たちの怖さやめんどくささも表現できればと思っています。
V: 当時のスケートショップもそうなんですが、宇田川町もスタッフが怖いお店がいっぱいありましたねw では、兄弟ブランドの猿楽町SPORTSについても聞かせてください。
U: 宇田川町と猿楽町(代官山)はまったく異なる色を持つ街ですが、背景となるストリートカルチャーによって繋がっていました。音楽・レコードカルチャーだけでないファッションその他の要素を表現する場が猿楽町スポーツです。猿楽町SPORTSでは当面、スニーカーを中心に展開していきます。
V: 最後に、今後の両ブランドの展望を聞かせてください。
U: 世代を超えたコミュニケーションのきっかけとなるようなモノ・コトを提案し続けていきたいと考えています。
宇田川町SPORTS / 猿楽町SPORTS
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