サーフィンからスケートの世界に飛び込んでみて、すごくオルタナティブな立場にいる自分が逆に面白かったりする。サーフィンの世界ではどっぷりとサーフィンなのだけれど、スケートの世界だとまさに一見さんといったところだろうか。それがまた新鮮で、ある意味楽しい。そんな僕にもSLIDERをはじめてスケートに興味が芽生えてきた。まずはデッキやウィール、トラックやらを揃えて自分でこさえて、デッキテープが変なところにくっついて、顔を歪めながら汗だくで貼り直したりアウトラインをカッターでなぞったり…まさに初歩中の初歩。将棋でいうと「歩」な状態で1歩づつ自分なりに日々楽しんできた。そして、僕には無いものがあることも気づいた。板を叩けない…いや、叩く勇気がない、ということ。DVDなどに出てくるスケーターのようなイカしたトリックもできないから、やることはひとつ。“クルージング”である。そう、街、いや週末の湾岸ストリートのクルーズです。季節柄とても気持ちいいし、サーフィン後にこれ、またいい。けど、もうひとつないものに気づかされる。ストリートのいたるところにある、障害物の攻略である。「は、はぁ~ん。オーリーってヤツですね」と思い、チャレンジしたらアレー、国道14号線へ板がまっしぐら! こんなところ、近所のかわいいお姉さんや息子の通う幼稚園の先生(25歳アベレージ粒ぞろい)なんかにも見られたら、シャレにならない。
ということで、車道を通過する運転手やアベック(死語?)たちの冷ややかな目線を振り払いながらも、気を取り直して家に帰り、思いついたのは4歳の息子とのセッション。なかば強引に誘い出し、はじめはキックボードを与え、自転車をやらせ、車輪に興味を持ったところでスケートのDVDを観させて興味を惹かせ、今ではなんとかひろーい公園の水がまだ注入されていない池で一緒にスケートを楽しんだりすることができている。そして、息子の若さに期待しつつ、来月はキッズ用のスケートボードを買ってやろうと思う。「スケートとサーフィンどっち好き?」と聞くと「スケート!」と答える息子はちょっとうれしい半面、「サーフィンも!」と思う親の気持ちをよそに、サーフィンは興味なさげだ。なんて、たあいも無い、たまの週末を過ごせると、ふと思うのはこれまたスケートとの付き合い方、楽しみ方もまたSLIDERということでいいのかなと。そんな勝手な僕をテケ扱いせずに接してくれているSLIDERスーパースタッフのみなさまにはとても感謝の気持ちが湧いてくるとともに、考え方の広さにも気づかされる。KEさんは言いました。「藤田さんはいまさらスケート頑張ってもイナタイからいいっすよ、そのままで」。なんて言われて甘えて居座る今日このごろですが、少し気持ちが楽になったのも事実です。だからいまは、いつかは「精度高めなオーリー」、「息子とオーリー」、「クルージングをする近所の変な40代」を目指して、これからも年齢不詳で頑張ろうかなっと、思いマース。
――Naoki Fujita