2013年のスタートは、例年に増してハーコーでした。元旦よりGRAVISのライダー(+FTCのハルカ)と海外へ撮影トリップへと出かけたのですが、羽田空港でまさかのスタック。慎重派の自分はフライト時間の2時間前にハルカとともに羽田に到着するも、駐車場入口には長蛇の列が…。とは言っても「2時間あるので余裕っしょ」とたかをくくってチルすること1時間、まったく動く気配なし。さすがにヤバいと近くのパーキングに連絡しまくるも、どこも満車とのこと。ざっと見て、前に車は10台。このまま待つか、外に出て駐車場を見つけてタクシーで戻るか…。究極の選択を迫られながらも、長年の勘で待つことに─。
1台駐車場から出てくる度に、1台入るという繰り返しをすること30分経過。フライトの時間は刻々と迫っている。ヒロキと次郎は朝イチの便ですでに現地インと連絡あり。今回のトリップのフィルマーは自分ひとりなので、日程をずらすわけにはいかない。繁忙期とあり、別便にスムーズにスライド出来る可能性もかなり低い。あと数台というタイミングでチェックインの締切時間に到達。ピヨリまくりでケツ汗びっしょり。とりあえずハルカだけ先に行かせ、チェックインカウンターの担当者に携帯越しに事情を説明しながら時間をかせぐ。「大変申し訳ありませんがこれ以上は待てません…」と電話越しにペコペコ頭を下げていそうな真摯な態度の女性職員を度外視して、逆ギレしながら言葉責め。そうこうしていると、奇跡的に数台連続で車が出てくるのが見え、待望の駐車場エントリーをメイク。シューマッハ並の集中力とハンドルさばきでオープンスペースを探すも空きがない。3F、4Fへとけたたましいタイヤの摩擦音を響かせながら逆走をしながら最上階まで9秒ぐらいで駆け上がり、ようやく空いたスペースを発見して駐車。国際線がエコノミーの客ひとりを待つわけもないので、手荷物を半分車内に残してダッシュ。走りながらもイヤホン越しに女性職員に、羽田空港の駐車場の不備について執拗に攻め立てる。モンスタークレーマーだろうが完全に嫌なヤツになろうがフライトをミスるわけにはいかない。
そしてエスカレーターを駆け上がると、航空会社の職員5、6名が鬼の形相でオレに向かってくる…。やべぇ、もしかしてヤラカシタ ; と一瞬身構えるも、「こちらです!」と粋のいい男女の職員たちが荷物を手から奪い、混雑した空港内の人垣をかき分けカウンターまでエスコートしてくれる。モーゼ顔負けの登場劇に、居合わせた人たちはどこかのVIPが現れたのではないかと思ったに違いない。実際は、正当な理由もなく遅れたクレーマーを対処したってだけなんだけど。
超ギリギリだったけど、無事フライトをキャッチ。ようやく席につき、元旦から変な汗かいて今年は幸先悪いなとも思ったけれど、別アングルから見るとかなりラッキー。完全にアウトだと思ったことが、土壇場でセーフになったわけだから。
機内の備え付けモニターで、久々に『北の国から 2002 遺言』を観た。お前ら泣きすぎだろう! って突っ込みを入れながらも、宮沢りえ扮するシュウちゃんに自分も涙しながら、目的地の台北へと向かったのでした。「感謝、感謝(五郎さん風に)」。
――KE