3月30日(土)、最新刊『SLIDER Vol.14』が発売される。そしてこのコラムを書いている、まさに今日3月21日の朝にスタッフみんなで締め切りを終えたばかりだ。とにかく今回は精神的にも体力的にも本当に辛かった……。決して言葉にはしないけれど、スタッフそれぞれが内に秘めている心の悲鳴が不思議と聞こえてきそうなほどだった。そうそう、僕らスタッフは決して若くないから、連日連夜ハードワークが続くと、生気を吸いとられたまるで廃人のようだ(笑)。
ただこうして苦労と疲労の連続ではあったけれど、自分でも驚くほどに心身は充実感に満たされている。締め切りというゴールを迎えた達成感があるのはもちろんだが、それ以上に今回は、新たなチャレンジへの期待と反応を楽しみにする“悦”な自分がそこにいるようだ。そう、言葉にすればほんの数行のことで思いがはっきりと伝わるか定かではないが、今号のSLIDERの特集は、さまざまなアイデア出しから始まり、何度も議論を重ね、これまでとは趣向を変えた新たな試みにチャレンジした。その特集とは題して『The Masterpiece of Skateboarders スケーターたちのマスターピース』である。
これまでのSLIDERでは主にスケーター本人たちにフォーカスを当て、そこに潜む彼らの内面を深く掘り下げることを目的としてきたが、今回はそんなスケーターたち自身ではなく、彼らが己のアイデンティティを保つ、そして語る上で欠かすことのできない、“私的なモノ”にスポットを当てることにした。彼らにとって時に“最強の武器”、そして時に“最良の友”となるそれらはまさに個性的なものばかり。スケートデッキはもちろん、服、靴、アート、本、クルマにバイクなど、それらは実にバラエティに富んでいた。今回本誌では紹介していなけれど、箱ティッシュが「オレのマスターピースだ!!」なんて話すスケーターも……。まぁ、とにかく今回の特集では、誌面でフィーチャーしたスケーターやフォトグラファーのパーソナリティをよりよく理解できる、魅力的なマスターピース・アイテムが散りばめられているわけだ。
繰り返し、また宣伝ばかりで恐縮ではあるけれど、そんな特集が掲載された最新刊『SLIDER Vol.14』は3月30日(土)に発売。ぜひぜひ書店で手に取り、そして購入頂ければ幸いだ。きっとページをめくれば、そこにはあなたのまだ知らない世界があるはずだから―――。
――Kota Engaku