夏の熱帯夜は風がなく、とても寝苦しい。いっそクーラーでもガーッと入れればそれは涼しい風も吹いてくるんだけど、あえて扇風機にするとそれはまた昭和な雰囲気たっぷりのやや温かい風が吹く。もう少し秋めいてくると、風もひんやりと冷たくなり幾分過ごしやすくなるだろう。
季節の変わり目や部屋の空気感、ヒトの雰囲気などをなんとなく風に例えると、意外と意味深いのだなと感じたのが今回の猛暑の夏だったのです。ちなみに自分はサーフィンをやるので、波を作り出す風については人一倍気になるところ。風向きとかもおおいに波質に影響してくるから、それはそれは気になるもんだ。
「凪」という言葉があるんだけど、風が止まる時間帯のことを指していて、早朝や夕暮れの気温が高くない時間帯に風が吹かないことでこう呼ばれる。サーファーが夜明けとともに海へパドルアウトしていくのは、この良質なコンディションを求めて早起きする訳で、仕事ではこんなに早起きしないのは自分だけではないはずである。この時間帯の波にサーフィンをあてると本当に最高で、しばらくその最高な気分に包まれたまま1週間くらいは過ごせるんじゃないか、と思えるほどの至極の瞬間なのである。そして、それがもっと大きなエネルギーを持った風だと待ちにまった台風スウェルになって、今度はハードコアなビッグウェーブ・コンディションとなってくる。
よく考えると風から影響される波で自分自身が大きな影響を与えられているのだと思えてくるのだけど、結局はこの風を読む力が重要であり、人生の風を読む力も今後は養っていけるようにしたい、そんな40代の夏でした。
来年は尿酸値下げるぞー!
――Naoki Fujita