のっけからなんですが、たまにはこのコラムでスケート以外の話をしてみようかなと思いまして、今日は“物欲”の話をちょいちょいと。
ご存知のとおり、今年も残すところあと2ヵ月。「1年はやいな~」という月並みなふり返りはさておき、クリスマスシーズンがそうさせるのか、年末になるとやたら物欲湧きません? なんだか“パーッ”と高いものが買いたくなるというか……。とはいえ、そう大盤振る舞いもできない身分なので、妄想を膨らませるだけで自分を納得させるのですが、それでも最近欲しくてたまらないのが、“トレーラーハウス”なんです。
トレーラーハウス、読んで字のごとくトレーラーの中に住環境が装備された、時に移動さえもできてしまう箱形住居なんですが、こいつをカントリーサイドのだだっ広い野原や、小鳥のさえずる森なんかに置いて、気の向くままの日々を過ごしてみたいと思うワケです。つまりは都会の喧噪を忘れるってヤツですね。
で、いろいろと調べてみると、ボディサイズのバラエティはもちろんですが、最新の設備を揃えたゴージャスなトレーラーハウスから、アメリカの旧き良き時代を彷彿とさせるウッディなヴィンテージものまで、これが実に多種多様。値段も数十万~数百万までと、頑張ればまぁなんとか届くレベルから、いやいやそれは無理でしょうと端から問題外のものまで、多くのトレーラーハウスファンのニーズに応えるラインナップとなっています。
個人的な好みをいえば、ヴィンテージものがお気に入り。ファブリックシートのチェック柄や、備え付けられた小ぶりなウッドキッチンの佇まいは、とにかく今にはない雰囲気があります。まぁ旧いものですから、最新のものに比べれば便利ではないですし、ところどころに傷やほころびも散見されるわけですが、そんなところも年月を重ねた経年変化ならではの美しさを備えていると自分は思うワケでして……。
東京で生まれ、東京で育ち、いまももちろん東京が大好きです。エネルギッシュでスピーディな街の流れに自分をなんとか合わせることも、決して苦痛ではなく、むしろそこには何とも言えぬ達成感すら存在します。がしかし、180度方向を変えて走り出し、安息の地をついに見つけ、身体のリズムに従い生活したいと思うことも時にはあるものです。そんな欲求に現段階で必要と思えたのがトレーラーハウスだったのかもしれません。けれどもまた街が恋しくなりきっと自分は東京に戻ってくるんでしょうけど…。
――Kota Engaku