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雑誌不況と言われる昨今「Webメディアに移行します」なんて話をチラホラと耳にするのですが、…
──私的メディア論

2016.12.16

 雑誌不況と言われる昨今「ウチラも雑誌という紙媒体をやめてWebメディアに移行します」なんて話をチラホラと耳にするのですが、個人的には「雑誌でダメだったんだからWebでもダメに決まってるでしょ。どういう根拠でWebに勝算を見出したんだろう?」なんて不思議に思ってしまいます。
 雑誌ではなくWebで再スタートを図ってこれまでの不遇を盛り返していきたいなんて息巻いてたりするのかもしれませんが、伝統芸能じゃあるまいし、微妙な媒体を続けることの意味って何でしょう? そもそも、Webメディアがニュースクールでアナログメディアがオールドスクールというつもりもないので「もう紙媒体の時代じゃない」とWebで再興を願う人たちの思考は謎だったりします。Webメディアなんて今ではありきたりなもので新しくもなんでもないし、紙メディアは古臭いもので見るに値しないかといえば、そうでもありません。大切なのはメディアの価値や共感度。そのメディアが発信する情報の価値や、メディアが目指す先であったり編集者たちの信念に共感できるかどうかが重要なのではないかと思っております。そこに価値や共感を見出すことができればお金はいくらでも払うでしょうし(限度はありますが)、共感できなければ無料でも見ないでしょう。ですので、やりたいことや方向性が明確で筋が通ったメディアがあると嬉しくてワクワクしちゃいます。彼らが目指す先になにがあるのか? そこに読者という形で参加できるのが個人的にはベストです。
 だから微妙な雑誌が休刊し「Webで再スタートします」なんて言われても自分的には「???」。それがニッチで専門的な業界ならなおさら「シーンに混乱を招くし業界を圧迫するからやめてくれ〜!!」なんて思ってしまいます。メディアをやることはもちろん自由なので文句はありませんが、柔軟な感性と鋼鉄の意思を持った骨太なメディアに触れてみたいし共感したい自分からしたら、そういう意思を持った人たち以外はメディアというものに手を出してほしくないのであります。

--TM

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