年が明けてはや3ヵ月が経過。季節は春でこれから何かと活動的になるシーズン。スケートやサーフィンもより一層楽しめる季節の到来である。
この間、年2回開催されるInterstyle 2月展へ行ってきた。この月はSBJ(スノーボード業界の合同展)と同時開催なので毎年集客が多くて盛り上がるものだ。スケート、サーフィン、スノーボードという3Sのジャンルが横浜の会場一同に集結するから人も集まるというワケである。基本BtoBの合同展であるため、全国から集まるディーラーさんやメーカーさんをはじめ、久しぶりに多くの人に会える“機会”である。ある意味業界同士の“同窓会”に近いものであり、大体の人が会場へ入り本来行きたいブースへ辿り着けない。それくらい寄り道や声を掛けられたり「久しぶりに会場内で会う人が多くて本来の目的をなかなか果たせない」とライダーや関係者たちから同じことを耳にする。
その2月展で思ったことがひとつある。自分もインタースタイルの前身Active Collectionからほぼ毎年足を運んできながら、景気の浮き沈みを目の当たりにしてきたけれども、その度にみんな口々に「いやぁー、景気悪くてさぁ…」、「金ねーよ」、「モノが売れねーよ」とかいいながらも、なんだかんだ年に1度のLAやハワイ旅行やバリトリップにはちゃっかり行っていたものであった。どこかみんなの心のどこかに譲れないものというか、好きなことを仕事にしているとか、そういう気持ちが必ずあって、キチンと自分のライフスタイルにしていた。
けれども、今年のインタースタイルだけで見ると、みんな明るい顔をしているんだけれどもどこか冴えないというか、心なしかトーン低い…ただ漠然なんだけれども、惰性的な印象を受けてしまった。それは押し寄せる時代の波への過渡期なのか? どこか答えを見いだせない部分がみんなにあるようにも思えた。「先行き」、「景気」、「為替」、「世界情勢」などなど、ある意味舶来の遊びを楽しみその恩恵を受けてきた側としては敏感なところである。
まぁ、勝手に自分がそう感じているだけで他はまったくそう感じていないということもあるかもしれないが、考え方を変え、これから新しい価値観や提案をしていけるチャンスと捉えれば、これはまた前向きで明るいものでもある。8月のIOCの決定次第で東京五輪の正式種目としてスケートとサーフィンが決まればその盛り上がりも加速するかもしれない。こちらはぜひ横乗り業界隆盛の良きカンフル剤となればうれしい限りである。
合同展ということで少し目線を変えると元気のいい合同展もある。その名もJumble。ファッション、アパレル系の感度の高いところが集まっている比較的新しい合同展で、人もおおいに入り賑わっていたし、注目できそうな新しいブランドも多く出展していた。けれどもこれも、もしかしたら今は良くても数年後はまた新しい合同展が出来、新しい流れが出来て、そこが盛り上がるかもしれない、それくらい時代の流れや消費者の飽きが昨今早い。某社の社長はファッショントレンドの流れが早すぎて最後に行き着いたのは「コンサバ」になったと…。この一言も何かを象徴しているのだろうか。
とにもかくも、長い目で見ると単調に思えることを日々進化しながら自分のスケートないしサーフィンの立ち位置をもっとしっかりと踏みしめた方がいいのかもしれないと思った。
Interstyleのような合同展での“同窓会”も、そこから新たなビジネスを生み出し進化し、お互いに成長できる合同展ならより一層意義があり業界も発展していくだろうから、今後の業界の盛り上がりに期待したい。
--Naoki Fujita