DICKIES SKATEBOARDINGからシグネチャーコレクションをリリースしたガイ・マリアーノ。'90年代からストリートスケートの進化に貢献し続けたレジェンドがアイテムに込めた想いを聞く。
──GUY MARIANO / ガイ・マリアーノ
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Special thanks_Dickies Japan
VHSMAG(以下V): まずDickies Skateboardingに加入したきっかけは?
ガイ・マリアーノ(以下G): すべては自然の流れだった。ずっとDickiesを愛用してきたから。この10年間、ジョー・モンテレオーネがリアルでリスペクトされるスケートチームとブランドを作り上げるのを見てきた。しかもそれはオレの核となる信念や価値観と一致している。ジョーとチームがこの機会を現実にしてくれて光栄だよ。
V: 今回のシグネチャーコレクションはどのようにして形になったの? デザインのインスピレーションとそれがどのようにガイのスタイルを反映しているか教えて。
G: 最近は'90年代のファッションが多くのブランドで復活している。そのスタイルと時代が一番しっくりくるんだ。スケート、音楽、そして自分自身の人生に影響を与えた'90年代は今でも一番好きな時代。だからDickiesとのカプセルコレクションにその影響を取り入れるのは自然な選択だった。
V: Dickies Skateboardingとシグネチャーコレクションを進める上でのプロセスはどんな感じだったの?
G: Dickiesの素晴らしいデザインとマーチャンダイジングチームに恵まれて本当にラッキーだった。細かい部分まで自分が望んでいたものを押し出すことができた。彼らとの共同作業があったからこそオレのビジョンを忠実に反映し、自分自身を象徴するコレクションを形にすることができたんだ。
V: デザインの段階で大変だったことやエキサイティングだった瞬間は?
G: まずムードボードを作成して昔の写真やビデオを引っ張り出したんだけど、あれはかなり懐かしくてインスピレーションを与えてくれる作業だった。どんなプロジェクトでも締め切りが最大の難関ではあるけど、デザインの作業を先導してこのプロジェクトを進め、命を吹き込んでくれた女性クルーがかなり助けてくれた。ミーガン、コリーン、そしてチームのみんなに感謝だね。
V: レジェンドスケーターとして、これまでの経験がコレクションの機能性にどのような影響を与えたと思う? スケートコミュニティの共感を得られると思う特徴やディテールは?
G: スケーターとしての経験はこのコレクションの機能性に大きな影響を与えていると思う。Dickiesのクラシックなスタイルと上質な素材を使用しているんだけど、これまでの経験でそれが機能的で優れたスケートウェアであることは証明されている。耐久性が重要だからダックキャンバスも使った。ボロボロになればなるほど味が出るんだ。アスレチックなメッシュショーツは伸縮性のあるウエストバンドで究極の動きやすさを実現しながらも、スケートができるほどタフでジッパー付きポケットがポイント。ブランディングもミニマムにした。これらのディテールは間違いなくスケーターに響くと思う。
V: スケートコミュニティで影響力のあるスケーターとして、今回のコレクションが次世代のスケーターたちにどのようなインスピレーションを与えることができればいいと思う?
G: このコレクションのスタイルは'90年代よりも今のほうが人気があるような気がする。初めて買ったアノラックやお気に入りのストライプのポロシャツ、そしてそれらを着ながら作った思い出を今でも覚えている。これらのアイテムが次世代のスケーターにも同じような影響を与えることを願っている。Dickiesはオレと同じくスケートコミュニティのレガシーであり、今回のコラボレーションで最高の作品を生み出していると思う。一緒に意義深く重要なカプセルを作り上げて、チーム全員にキャンペーンに参加してもらった。このようなやり方が次世代のスケーターを繋ぎインスピレーションを受けてくれると信じているし、そう願っているよ。
V: これまでのスケートキャリアの中で、シグネチャーコレクションのデザインやコンセプトに影響を与えた印象的な瞬間はある? コレクションの中でお気に入りのアイテムと、そのデザインやインスピレーションの背景にあるストーリーを教えて。
G: 今回のコレクションに影響を与えたのは、'90年代半ばのカリフォルニア、春の雰囲気。まずは当時履いていたAirmaxを参考にしてデザインしたAxionのAriesモデルにインスパイアされたカラーストーリーからスタートした。デニムショーツは13インチの874ショーツからインスピレーションを受けている。これはずっとDickiesに作ってもらいたかったアイテム。過去に何度も登場した'90年代の黄色いTシャツも復活させた。使用したフォントとスクリプトもLAの雰囲気と'90年代のアスレチックなヴァイブスを併せ持っている。そしてこのコレクションの最重要アイテムがアノラック。オレはSFのEMBの連中と一緒によく滑っていた。当時はみんなアノラックを愛用していたんだ。このアノラックは'90年代のファッションの影響を色濃く反映していてコレクションの中で個人的に最も気に入っている。
V: コレクションの発売に合わせてエディットがあるんだよね?
G: みんなでエディットに取り組んだ感じだね。チーム全員が協力してくれたから。オレがそれぞれの時代でヒットしてきたスポットをチームが祝福するというキャンペーンをジョーが用意してくれたんだ。ディラン・ジェイブはオレのスクールヤードの時代に敬意を表してヤバいピクニックテーブルのラインを撮ってくれた。ジェイミー・フォイはオレがBlindの『Video Days』や『Fully Flared』で滑っていたスポットをヒットしてくれた。トム・ノックスは比較的最近のLAのスポットでヤバいラインを披露。このようなクリップやみんなが関わってくれたことは、オレにとってかなり有意義で大きな意味があったよ。
V: ずっと最前線で滑り続ける秘訣は?
G: 年齢を重ねるにつれて、ずっと自分の好きなことを続けられていることへの感謝の気持ちがモチベーションになっている。まだまだスケートに捧げられるものがあると感じているから。
V: では今後の予定は?
G: クリエイティブで心身ともにポジティブなモチベーションを保つことができている。Dickiesは今年、初のフルレングスビデオを制作しているからそれが次のプロジェクトだね。
Guy Mariano
@guymariano
1976年生まれ。ロサンゼルス出身。『Video Days』『Mouse』『Fully Flared』『Pretty Sweet』などこれまで残したビデオパートはすべて歴史的名作。現在はDickies Skateboardingのメンバーとして活動中。