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VHSMAG · VHSMIX vol.31 by YUNGJINNN

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パワフルなマニュアルトリックで構成されたCHOKING THE BATパートをJACUZZI UNLIMITEDからリリースしたばかりのジョン・ディロ。SNAKE BITE TOURで来日を果たしたタイミングでクイックインタビュー敢行。
──JOHN DILO / ジョン・ディロ

2025.04.11

[ JAPANESE / ENGLISH ]

Photo_Yuumac
Special thanks_Advance Marketing

 

VHSMAG(以下V): まずJacuzziに加入したきっかけは?

ジョン・ディロ(以下D): Dwindleの状況が悪化して、もう良くなることはないんじゃないかって思えた。でもそのときはちょうど足のケガが回復している最中だったんだ。Dwindleの状況がどうなっているかなんて気にしてる余裕はなくて、とにかくまたスケートができるようになることに集中していた。だからいろいろ起こっていたけど、むしろ気を紛らわせるものがあって良かったのかもしれない。おかげであまりストレスを感じずにいられたから。それで会社の状況が良くなる見込みがないように思えたときにDwindleを辞めたんだ。でも公にはしていなかった。やっぱりいろんな感情が絡むし、ブランドに思い入れがある人も多かったからね。ひとりが辞めたら、みんなも辞め始めるんじゃないかっていうのもあったし。だから辞めたものの、この先どうするかも決まってなかった。とりあえずステッカーを貼ったデッキに乗っていた感じ。でも怪我から回復して調整している時期だったから、特に誰かが気づくようなこともなかった。そんなとき、IGを見たらルイ(・バレッタ)をはじめチーム全員が「辞めた」って投稿していた。それを見て「ルイが辞めるなら、これは本当にヤバいことなんだな」って思ったのを覚えてる。そしてある日、ルイから電話がかかってきた。「何か新しいことができるかもしれない」って。でもそのときは誰が関わってるかも、ブランドの名前すらも教えてくれなかった。ただ「お前も参加したいか?」って聞かれて。オレはヤツらなら間違いないということで了承した。そうしてその話が形になっていったんだ。

JACUZZIは独自のアイデンティティを確立して、多くのブランドを超える存在になったと思う

V: Jacuzziが始まって2年目。ここまでの手応えはどう?

D: いい感じだよ。Jacuzziはすっかり独自のアイデンティティを確立して、この短期間で多くのブランドを超える存在になったと思う。タイミングも場所も、関わっているメンバーもすべてがうまくハマったからこそ今の形になったんじゃないかと思っている。本当にすごいことだと思うよ。

V: Jacuzziの持つヴァイブスやエネルギーを言葉で表現するとしたら?

D: オレたちは自分らしくいることを大事にしてると思う。意外と自分らしさを貫くことを恐れる人は多いけどね。受け入れてもらえないことを恐れる人も多いし、誰かにジャッジされるのが怖い人も多い。「クール」 の枠から外れるのを怖がる人も多い。みんな何かを始めるとき、すぐに認められてクールな存在になりたいって思うけど、オレたちはそこにとらわれてないところが気に入っている。他人からの見られ方を恐れていないし、ただ自分たちがやりたいことをやっているだけ。他の誰かを満足させるためじゃなくて、自分たちのためにやっている。そしてちょっとバカっぽいところもある(笑)。そういうのも全部含めて、楽しむことが大切であることが伝わるんじゃないかな。

V: 最新パートは素晴らしかった。どんなマインドセットで撮影に取り組んでいたの?

D: シグネチャーシューズのリリースに合わせてパートを作ろうって話になったんだけど、正直なところ最初は何をしたいのか自分でもはっきり決まっていなかった。なんか宙ぶらりんな状態で…。そんな感じで過ごしていたら膝に痛みを感じ始めたんだ。そして医者に診てもらったら、結局手術をすることになって。それでパートの撮影も一時中断せざるを得なくなって、最終的には昨年の半年間、断続的に撮影することになったんだ。でもその間ずっと膝の痛みを抱えてて、スケートするのが本当にキツかった。だからオレにとっては、ちょっと不完全燃焼なビデオなんだ。自分の中ではまだ完成してない感じがある。実際にリリースされたのは1ヵ月くらい前だけど、撮影をやめたのはもう半年前。もしその間もスケートしてたらクリップを追加できたし、もっとデカくてヤバいこともできたかもしれない。でもまあ仕方ない。そういうこともあるし、それもオレたちの仕事の一部だから。世界の終わりってわけじゃないしね。

V: 収録されたほとんどのトリックがパワフルなマニュアルだったけど、あれは意図的だったの?

D: いや、置かれていた状況を考えて、ただ自分ができることをやっていただけ。膝の痛みを抱えながら滑ることができたのはピア7やSFライブラリーだった。手術を受ける前には、ライブラリーだけでパートを撮ろうって話していたんだ。それで数トリックを撮って「これがビデオの最後のトリックにできる。あとは他のクリップを撮ろう」って感じだった。でも結局、滑れなくなってしまったから、撮れたものを元にパートをまとめることになった。だから期待していた結果とは違ったんだ。それでもうまくいったと思う。

V: パートの中で特に難しかったトリックとかスポットはあった?

D: ライブラリーでの撮影は全部大変だったと思う。スケートできる時間が限られているからね。ライブラリーは18時に閉まるんだけど、当時は19時半くらいで暗くなるからトリックを決めるには1時間くらいしかなかった。しかも外にいる人たち、つまりホームレスの人たちとかは移動したがらない人が多い。つねにいろんなことが起きている場所だから運も必要なんだ。だから17時半くらいに行って自分たちの場所を確保するんだ。座って待って、閉館の時間になったら立ち上がって滑るって感じ。そうやって最後の方は戦略を練っていた。大変だったけど、誰かを怒らせたくなかったし、誰かに移動を強制するつもりもなかった。ただ滑りたかっただけなんだ。あのスポットは本当に素晴らしい。歴史もあるから、トリックをゲットできて本当に良かったと思っている。

V: 一番好きなクリップは?

D: ピア7でのトリックは自分にとって特別だった。ずっとやりたいと思っていたトリックだったからね。ちょうどパートの撮影を始めたときにSFに引っ越したんだ。今は近くに住んでるけど、それ以前はツアーでもない限りあのスポットで滑るチャンスはなかった。しかもやりたかったトリックがいくつかあった。ピア7でのフロントサイドフリップ・フェイキーマニュアルからのフェイキーフリップアウトとか、あれは8年くらいやりたかったんだ。フェイキーフロントフリップオーバーもそう。7年くらい前に挑戦したけどできなかった。結局、別の場所で撮影したんだけど、ずっとピア7でやりたかった。そして念願が叶ったんだ。その日はハマることなく自然にできた感じ。あのスポットは風の影響があるから大変なんだ。というわけでピア7のクリップはずっとやりたかったトリック。あとはその場のヴァイブスで形になるトリックもある。オープニングのマニュアルもまさにそんな感じだった。みんなでハングアウトしていてもう暗くなりかけてたんだけど、急にできるんじゃないかって思って立ち上がってやってみたんだ。ただ「できるかも」ってトライしてメイクできた感じ。

 

V: これまでたくさんパートを出してきたけど、パートの重要性は何だと思う?

D: ガキの頃からルイやジェリー・スー、ブライアン・ハーマンみたいな人たちを見てきたんだ。金を稼いで、世界中を旅行して、夢を実現していた。あの人たちはスケートカルチャーに貢献していて、誰にも奪われることのないことをやっているんだ。スケーターなら誰もが知っているように、ジェリーはあの巨大なステアでノーリーバックヒールを決めている。それは永遠に残る偉業なんだ。そしてあのスポットに行けば、ジェリーの貢献を実感することができる。オレにとってパートとは、まさにそのようなものだと思う。

V: HOUR IS YOURSからシグネチャーシューズがリリースされて、これまでパートもたくさん残してきた。今の自分のスケートライフについてどう思う?

D: つねに何かもっとやるべきことがあると感じている。ルイともよく話すんだけど、たまにプロに昇格したらそれで頂点に達した気になって、あとは楽に過ごす人がいる。でもオレにとっては、ずっとやりたかった仕事を手に入れた感じだからつねにやりたいことがあるんだ。それに怪我をして休んでいるときに自分と向き合うこともあって、余計にその気持ちが強くなる。でかいステアやハンドレールを攻めたり、何百万時間もかかるようなレッジトリックをするスケーターもいるけど、楽しんでやってるわけじゃないこともあると思うんだ。自分が築いたキャリアだからやる、プロとしてのプレッシャーを感じてやるって感じで。でもオレは違う。もしプロじゃなかったとしても、今やっていることを同じようにやっていると思う。スケートに関しては今の自分に満足しているし、感謝しているし、ラッキーだとも思っている。まだまだ続けていきたいね。

V: 今後の予定は?

D: Jacuzziのフルレングスを作る予定。それがオレのやりたいこと。人生で達成したい目標がいくつかあって、それを実現するのは自分次第だと思っている。できるだけ長く続けられたらいいと思っているし、ただただ滑り続けて、ガキの頃の自分がなりたかったプロスケーターになれるようにがんばりたいね。

 

John Dilo
@johndilo

フロリダ州出身。強靭なポップで繰り出すフリップトリックとマニュアルバリエーションで知られるJacuzzi Unlimted(@jacuzziunlimited)の看板プロ。HOUR IS YOURSからシグネチャーシューズをリリースしたばかり。

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