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独特なスタイルで注目を集めるジョン・シャナハン。'90〜'00年代に影響を受けたアーバンスケーターとのクイックアップデート。
──JOHN SHANAHAN

2019.04.26

 

[ JAPANESE / ENGLISH ]

Photo courtesy of DGK, Special thanks: Charlie Trading

VHSMAG(以下V): まずは出身地とスケートとの出会いから。

ジョン・シャナハン(以下S): 生まれはニュージャージー州のハケッツタウンで、早くにペンシルベニア州イーストストラウズバーグに移った。近所の友達が持ってきたクルーザーがきっかけで完全にスケートにハマった。

V: 当時のシーンはどんな感じだったの? 影響を受けたスケーターは?

S: ペンシルベニアのスケートシーンはいい感じだった。小さな街だったからスケーターは全員知り合いだし団結力も強かった。影響を受けたのは地元のストリートで滑ったり撮影していた年上のスケーターたち。

V: ジョン・シャナハンといえばヴィンテージのDCのシューズだよね。

S: ある夏にウッドワードで働いていたんだけど、毎日滑るから足が疲れてずっと痛かったんだ。当時はスケートショップからDCをもらっていて、昔のゴツいシューズを履けばもしかしたら足の痛みが軽減されるかもと思ってトライしてみることにした。そこでeBayでEmbarkoモデルを買ったんだ。マイク・キャロルのシグネチャーモデルだった。1時間ほどでソールが加水分解してしまったけど、最高の気分だったんだ。当たり障りのないスケートシューズとは一線を画していたから。履いているスケートシューズのテイストを変えるのが楽しかった。その後もeBayで古いDCを何足か買ったんだけど、それ以来スリムなシューズは一度も履いていないね。

V: そうして正式にDCに迎え入れられたわけだけど、その経緯は?

S: 当初はペンシルベニア州ベスレヘムのHomebaseというスケートショップからDCをもらっていたんだけど、オーナーがジェフ・パンに紹介してくれたんだ(※当時ジェフ・パンはDCのブランドマネージャーを務めていた)。それからは直接シューズが自宅に届くようになって、NYCのDCのショールームでもシューズをピックアップできるようになった。毎月フッテージを送って、もっとフィルミングするように背中を押してくれたのもジェフだった。そうしてフッテージを送り続けたんだけど、あるときオレが履いていたシューズが目に留まったらしいんだ。「どこでそんな古いシューズをゲットしたんだ!?」って。チームマネージャーにオレのフッテージを見せたら、ヤツからもシューズが届くようになった。そしてイーストコーストツアーに同行できるようになってチームに迎え入れられたんだ。だからすべてはジェフ・パンのおかげ。

DCは当時の素晴らしいアイデンティティを取り戻している

V: そうやってジョンがヴィンテージのシューズを履いていたことがきっかけで、DCのブランドとしての方向性が変わったような気がする。現に昔のモデルが復刻されたわけだし。

S: そうなんだ。ヤバいよね。スケートに忠実な歴史あるブランドの一員として貢献できたことがうれしい。昔のモデルが復刻されたことによって、みんなDCが持っていた影響力を思い出すことができたと思う。DCは当時の素晴らしいアイデンティティを取り戻しているんだよ。

V: シューズだけじゃなくファッションを見ても、ジョンは'90年代終わりや'00年代初めの時代に傾倒しているような印象を受けるけど、当時の何に惹かれているの?

S: あの時代のスケートビデオや写真に惹かれるんだ。そのすべてにアートやスタイルを感じることができる。ただコンテンツをむやみに垂れ流しにするのではなく、当時は世に出すものすべてが考え抜かれていたと思う。

V: DCの“Street Sweeper”でも素晴らしいパートを残していた。ちなみにイントロで手錠をかけられていたけど何が起きたの?

S: 一番上にレッジがあってスロープになっているガラス製の駅の屋根があるんだけど、そこで撮影していたんだ。狙ったトリックを速攻でメイクしてセカンドアングルを撮影しようとした。それもすぐにメイクして映像をチェックしようと振り返った瞬間に男が立ちふさがって手錠をかけてきたんだ。ふたりの私服警官に逮捕されたんだよ。駅構内の分署に拘束されて2時間ほどで釈放。数ヵ月後に裁判所に出廷して不起訴になった。どうやらKグライドからシャヴアウトをすると逮捕されるみたいだね。

V: “Street Sweeper”を振り返って一番印象的だったのは?

S: 撮影の締切間際にフィリーに行ったことかな。あれはこれまでで一番楽しいツアーだった。


 

V: Bronze 56Kの“It's Time”とDGKの“Thoro”でもパートを残しているよね。ノンストップでパートをリリースしているけど普段の生活はどんな感じ?

S: その時々によるね。できるだけ撮影するようにはしているけど。まず彼女とブレックファストをとって古着屋を数店回る。そして誰かしらとリンクアップしてスケート。身体が疲れていたり天気が悪い日はオレの裁縫プロジェクトの@one_off_johnに取り組んでいる。

スケート以外やりたいことがない

V: どうやってモチベーションと生産性をキープしているの? DC、Bronze 56K、DGK。すべてラストパートを飾っているよね。

S: スケートが好きなだけ。大抵の場合それ以外やりたいことがないんだ。ビデオパート制作のプロセスも好きだし。インスパイアしてくれる仲間と一緒にスケートするのが大切だね。


 

V: DGKにはどういう経緯でフックアップされたの?

S: Gold『Got Gold?』のマーカス・マクブライドのクリップをインスタグラムで見て仲間とぶち上がったんだ。その時仲間のひとりが「YO、Goldに連絡してウィールをゲットしろよ」って。Homebaseのオーナーに連絡したらオレのフッテージを送ってくれたんだ。当時はKayoにスティーブン・マレンっていうヤツが働いていたんだけど、そいつから連絡が来て「ウィールだけじゃなくDGKのデッキも提供したい」って。DGKのスクワッドがNYCに来たタイミングで実際に会い、その後すぐにチームに加入した。

V: “Thoro”はシカゴ、フィリー、NYCといったアメリカ北東部が舞台だよね。作品のコンセプトは?

S: “Thoro”は楽しいプロジェクトだった。できるだけイーストコーストのスポットにこだわった作品。マイアミやシカゴにも行くことができた。ブライアン・パネビアンコとの撮影はいつも楽しいし。クレイジーなことが大好きなヤツでスケートストップを取り外したり、トリックをゲットするまでセキュリティとイタチごっこをしたり。最高のクルーで最高の時間を過ごすことができた。

自分にとって意味のあるスポットを攻めるようにしている

V: “Thoro”のパートも良かったよね。ビデオパートに取り組む際に心がけることは?

S: 自分にとって何かしら意味のあるスポットを攻めるようにしている。スケートヒストリーがあったり独特の雰囲気を持っているスポット。普段やらないトリックをいくつか入れて変化をもたせることもある。

V: 一番苦労したトリックは?

S: シカゴの美術館でのラインだろうね。スケートストッパーを外して何日もセキュリティとイタチごっこをしながら撮れたラインだから。

V: ゲットできてうれしかったトリックは?

S: マイアミのバンプtoバーでのフェイキーFsシャヴかな。2回通って最後の夜にようやく撮れたんだ。夜は暗いスポットだからジェネレーターをレンタルしなければならなかったし、身体が疲れすぎていたから諦めかけたんだけど撮れてよかった。


 

V: NYCでスケートしていたらカオスな事件に出くわすことも少なくないんじゃないの?

S: たしかにNYCでスケートしているとカオスがたくさんあるけど、ここでは敢えてペンシルベニアでの話を。地元にThe Boiler Worksという巨大な廃墟の工場があるんだ。ガキの頃からそこでスケートをしていたんだけど、昔からスケッチーな連中がたむろしていたんだ。ある日、スケートビデオのイントロを撮りに仲間とその廃墟に行ったんだ。仲間が撮影している間に彼女のケイラと部屋に入って写真を撮っていたんだ。するとフラッシュを焚いた瞬間、彼女が叫んだんだ。「死体がある!」って。そこには座ってこっちを見つめる男の死体があった。すぐに警察に連絡したよ。検死の結果、ドラッグのオーバードーズということだった。あれはマジで不気味な体験だった。

V: ヤバいね。では最後に今後の活動予定は?

S: 生産的に動き続けるだけ。DCの新しいプロジェクトもあるし、NYCを舞台にしたVXパートの撮影も始めたばかり。DGKのビデオプロジェクトももうすぐ始まる。楽しみにしていてくれ。

 

ジョン・シャナハン
@johnshanahanz

ニュージャージー州出身。1995年生まれ。あえてヴィンテージのDCを履いていることで話題を呼んだ都市型スケーター。攻撃的なスタイルとテクニカルスキルを誇っている。

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