Interview by VHSMAG, Photos by Ryan Zimmerman, Special thanks: G-SHOCK, Street League Skateboarding
VHSMAG(以下V): まずスケートとの出会いから聞かせてください。ブラジルでスケートを始めたの?
ケルヴィン・ホーフラー(以下H): そうだね、スケートを始めたのはブラジル。親父がスケートをしていたからボードをくれたんだ。いろいろとスケートに関して手伝ってくれたから感謝している。
V: ブラジルのスケート事情はどんな感じだった? ブラジルのスポットは路面がラフで大変だと聞いたことがあるけど。
H: 路面はニューヨークみたいな感じかな。ブラジルにはスケートパークが少なかったから、ストリートでスケートをしながら育った。楽しかったよ。
V: スケートを始めたのはいつ?
H: 9歳の頃。
V: 今は何歳?
H: 22だね。
V: 影響を受けたビデオパートは?
H: 『Ride the Sky』のクリス・コールのパート。あのパートを観たら、今でもすぐにスケートしたくなる。
V: それが、今では一緒にStreet Leagueの大舞台で肩を並べている。
H: そうなんだ。クレイジーなことだよね。今でこそ友だちだけど、一時期は「クリスはオレのアイドルだ」って言っていたよ。ヤツは最高のスケーターだね。スタイリッシュだ。いいヤツだし。
V: ケルヴィンは幼少期からブラジルのコンテストに出場して、ヨーロッパのコンテストでも活動していたから経験値は高い。昨年は突如Street Leagueに登場したよね。
H: そう。まずTampa Proに出場して3位になったことでStreet Leagueの出場権を得たんだ。
V: そしてStreet Leagueの初年でチャンピオンに輝いた。あのような大舞台でどのように集中しているの? コンテストでいい成績を残す秘訣は?
H: よくわからないけど、オレはただ仲間と楽しい時間を過ごすようにしているだけだね。得意のトリックを選んで、メイクしようとしているだけ。昨年はギリギリ8位でSuper Crownに進んで、最初のランで最下位のスタートとなった。自分のトリックをまったくメイクできなかったんだ。だから気持ちを切り替えて、「自分のためだけに滑ろう。得意なトリックなんだからメイクできないはずはない。何度もメイクしているトリックだ。絶対に大丈夫だ」って自分に言い聞かせた。冷静になれば大丈夫なんだよ。ただ落ち着いてトリックを決めればいいだけ。
V: なるほどね。Super Crownでチャンピオンに輝いたことで人生は変わった?
H: もちろん。スポンサーもいい感じになったし、なにより家族を支えることができるようになった。それが最高だね。
V: 今はLA在住だよね? いつブラジルからLAに移ったの? 理由は?
H: LAに移ったのは2年前。LAにはスケートパークが多いからね。マニー(・サンティアゴ)やポール(・ロドリゲス)と言った仲間もいるからたくさん刺激をもらえる。さらにLAはスケートの中心地だ。コンテストで世界中を旅することが多いからLAを拠点にするのがベストなんだよ。あとLAに来たのはThrasherのパートを撮るためでもあった。
V: Green Cardのパートだね。あのパートはヤバかったね。
H: ありがとう。
V: というわけで、昨年はStreet Leagueの初年でSuper Crownのチャンピオン。今年はケガしちゃったんでしょ? どうしたの?
H: そうなんだ。ケガしちゃったから今回のニュージャージー戦が今年初めてのStreet League。実は今年初めにTampaで足を骨折してしまったんだ。マジでバカなことをしたと思う。仲間と遊びで滑っているときに足がボードから外れて骨折したんだよ。コンテスト中の出来事でもなんでもない。遊んでいただけ。つい1ヵ月前に医者から歩いていいと言われて、それからまた滑り出した感じ。ケガは完治したけど、またトリックの感覚を戻さなければならない。それにはまだもう少し時間がかかる。今回、ニュージャージー戦に出場したのは、コンテストの熱気や雰囲気が好きだから。来年に備えて、コンテストに出る感覚をキープしないとならない。頂点からどん底に落ちた経験があるからもう怖いものはない。感覚を戻せばいいだけ。来年は爆発したいね。
V: 今年はG-SHOCKがStreet Leagueの協賛をしているけど、チームに加入した経緯は?
H: ブラジルでチームに加入したんだ。もともとG-SHOCKのウォッチが大好きで、G-SHOCKブラジルの公式Twitterにメッセージを送ったんだ。そうすると、「一度会おう」との返事が返ってきて。つねにG-SHOCKのウォッチを愛用していたから最高だね。一番好きなウォッチブランドだったから。
V: G-SHOCKの魅力は?
H: スタイリッシュなところ。あとはタフさ。絶対に壊れないし着け心地がいい。スケートに最適なウォッチだと思う。G-SHOCKのウォッチを着けるのは、新品のボードに組み替える感覚に似ているね。中でも特にGA110がお気に入り。
V: G-SHOCKと何でもできるとすれば何をしたい?
H: プロモデルをリリースできれば最高だね。実現できればネクストレベルだね。
V: G-SHOCKのウォッチでよく使う機能はある?
H: タイマーはよく使うね。今日もStreet Leagueのコースでミッキー・パパと60秒以内に特定のトリックをメイクする企画“A Minute to Win It”をしたばかりだ。自分のランの感触を確かめるときもタイマーを使っている。例えば、Street Leagueのランは45秒だからその時間内にどれだけのトリックをメイクすることができるか試している。コンテストでは毎回タイマーを使っているね。
V: 現在22歳でまだまだ先は長い。スケートを通して成し遂げたいことは?
H: 2020年の東京オリンピックに出場したい。東京に一度も行ったことがないからマジで行ってみたいね。
V: オリンピックに出場するとなれば、ブラジルの選手として出場するんだよね?
H: そう、ブラジル代表。トレーニングに専念してブラジル代表に選ばれるようにがんばりたい。現段階ではそれがオレのキャリアの目標だね。スケートがオリンピック競技になってもコアな部分がなくなることはないし、何も変わらないと思う。オレはただ毎日滑りまくるだけ。そして、オリンピックという大舞台でスケートができれば最高だ。
2015年度のSLS Super Crownのチャンピオンに輝き一躍世界中の注目を集めたG-SHOCK所属のブラジリアンスケーター。テクニカルトリックをはじめ超人的なハンマートリックに定評がある。