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NEW BALANCE NUMERICとINSTANTのコラボ作品“LAND & SEA”の公開を記念して、本作の発起人である高橋賢人にインタビューを敢行。東京、ハワイ、沖縄をつなぐ仲間、そして本作に込めた思いを語ってもらった。
──KENTO TAKAHASHI / 高橋賢人

2023.09.07

[ JAPANESE / ENGLISH ]

Photo_Ryo Sunagawa
Special thanks_New Balance Numeric, instant

街と自然でのスケートをうまく表現できないかな

VHSMAG(以下V): まず今回のビデオプロジェクトが始まったきっかけを教えてください。

高橋賢人(以下K): まず自分とクリス又吉がNew Balance Numericとinstantのライダーという共通点があったということ。さらにinstantの那覇ストアが2022年にオープンしたということ。やっぱり昔から沖縄のスケーターはみんな地元のシーンを盛り上げたいって言っていたので、自分も少しでも協力できればと思いました。それでちょうど那覇ストアの1周年ということで、映像で協力できればということで今回の制作に至りました。

V: 自分とクリス又吉を軸にした映像作品を制作することにした理由は?

K: ちょっと恥ずかしい理由ではあるんですけど…。もともと大学のときにクリスとハワイで出会って一緒にスケートしていたんです。僕は千葉や東京といった街の出身、クリスはハワイや沖縄という自然あふれる島の出身。それで「街と自然でのスケートをうまく表現できないかな」と大学1年生の頃からずっとふたりで話をしていたんです。若い頃に「こんな映像を作りたいよね」というところから始まった話が、やっと今回実現した感じです。

V: 今回の作品に登場する仲間たちについて教えてください。

K: この作品には幅広い世代のスケーターに出てほしいというのがあって。やっぱり日本だと同じ世代の人たちが固まっちゃうことが多いような気がするので。それで尚くん(大矢尚孝)と田口(悟)くん、あと松尾(裕幸)くんという、昔からメディアで見ていてNew Balance Numericという共通点のある人たちに出てもらいました。増田竜万は地元が一緒で彼が小学生の頃から知っています。齋藤丈太郎は小さいときからお台場のパークで一緒に滑っていたり。澤島裕貴は静岡のスケーターで那覇に一緒に撮影に行きました。あとは中澤信太郎、阿部涼太や小山大地という沖縄を拠点とするスケーターに協力してもらいました。

V: クリス又吉との初めての出会いはどんな感じだったの?

K: 大学生のときはハワイのチャイナタウンにあるアアラパークでずっと滑っていたんです。そこにローカルクルーが滑りに来て、その中にクリスやショウタ・クボがいました。あとAPBというローカルショップで働いているコナー(・マクギバン)っていうフィルマーの友達もいて、彼はグリップテープにスプレーするTreevisionsというアート作品を作りながら映像も撮れるんです。それで自然にTreevisionsというクルーになってきました。クリスと初めて会った日は完全に現地のスケーターだと思っていたんですけど、途中で日本語に切り替わって。「日本人ね?」みたいな(笑)。そこから一気に距離も近くなって毎日一緒に遊ぶようになりました。

V: お互いハワイを離れた後は?

K: ハワイで一緒に毎日遊んでいましたけど、クリスは沖縄、僕は東京に戻りました。僕の婚約者が沖縄出身で、クリスとか我如古 亘もエリアが近かったんです。今回沖縄で撮影に協力してくれた砂川 諒くんも同じ地元の同い年スケーター。それでよく沖縄に行くようになってまた遊ぶようになりました。

V: クリスと出会ったハワイの風土や文化は今回の作品に反映されていると思う?

K: そうですね。今回は編集をハワイのカレっていう仲間に頼んだんです。マウイ島出身でオアフ島に遊びに来ていたときにカレと出会いました。ハワイは世代に関係なくみんな一緒に滑っているんです。たとえば小学生と40代のスケーターが当たり前にゆるく一緒に滑っています。そういう温かい感じというか、ガツガツ滑るより肩の力を抜きながらみんなで楽しんでいる感じが反映されていると思います。ソファに座りながらゆっくり観てもらうのが一番いいですかね。

V: 音楽に関しては?

K: Aloha Got Soulっていうレーベルがあるんですけど、カレがそこの人と仲が良く今回に至りました。それで今回使用させてもらったのがYour Song Is Goodという日本のバンドでした。

V: 今回の撮影で沖縄に2回行ったんだよね。印象的な出来事とかあった?

K: 1回目は澤島裕貴くんも一緒だったんです。そのときが初対面だったんですけど、彼はアメリカでDGKにフックアップされているのもあって、スケート以外にも何か持っているものがあると思っていたので楽しみでした。それで会って喋っていると「これまで一度もグリッチョしたことがない」って言うんです。そんな人いるんだって思っていたら次の日に速攻で人生初のグリッチョをメイクして(笑)。焦りましたね。とりあえず氷で足を冷やして…。最終的に足首をテーピングでぐるぐる巻きにして、ロキソニンを飲んで。それで2カット撮るっていう荒業をメイクしていました。感動的でしたね。あとは尚くんや田口くんと撮影できたことですかね。昔から見ていたスケーターでもあったので彼らの乗り方やトリックチョイスに感動しました。

 

V: クリスと改めてセッションしてどうだった? ラフな石のウォールライドはヤバかったね。

K: 当時クリスは腰が痛かったらしく、あのスポットに行く前もゾンビみたいに動けなくなっていて。心配していたら「最近、酒を抜いているからかな…」ってボソっと訳わからないことを言うんです。それでコンビニでハイボールを買って、それを飲み終わってからあのスポットに行ったんですね。そしたら、酒を飲んだせいかいきなり動きがいつものように戻って突っ込み始めて。面もウィールがしっかり挟まるくらいほど溝が深いんですけど、しっかり合わせてメイクしていましたね。

V: 今回の作品を振り返ってみてどう? 街と自然でのスケートを表現するという大学生の頃に話していたことが実現したわけでしょ?

K: 当時一緒に遊んでいた仲間とこの作品を作れたのは感慨深いです。当時とは生活環境も変わったので、昔のようになんとなく作ったビデオとは一味違いますね。

V: では最後に本作のパートナーであるクリスと作品をまとめてくれたカレにメッセージを。

K: クリスに対しては、まず昔の話を実現させてくれてありがとう。もうこれに尽きます。カレに関しては、編集する時間を作ってくれてありがとうと言いたいです。あと彼はマウイ出身なんで…。最近、マウイのラハイナってエリアで山火事があったじゃないですか。あそこがカレたちのホームでもあるんです。街全体が燃えちゃったっていう話で。歴史的な建物も全部燃えちゃったんです。みんなとの思い出の場所が一瞬でなくなったというか。だからみんなで協力し合えればと思っています。やっぱりハワイでは友人や家族を大事にするので。

GoFundMe: gofundme.com

Kento Takahashi
@kentotakahashi___

千葉県出身でNew Balance Numericやinstantに所属。高校卒業後に留学したハワイで築いたコネクションは今も健在。アアラパークで出会ったクリス又吉と今回のビデオプロジェクトが実現。

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