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大阪を拠点とするハードヒッター、池 慧野巨のパートがMONSTER ENERGYとDORCUSからリリースされた。ハンマーの連続で構成された本パートの舞台裏に迫る
──KEYAKI IKE

2018.06.11

[ JAPANESE / ENGLISH ]

Interview by VHSMAG, Photo by Simoyan, Special thanks: Monster Energy & Dorcus

 


 

VHSMAG(以下V): まず、スケートを始めたのは?

池 慧野巨(以下K): 小学校1年生のときです。当時は和歌山の扇ヶ浜スケートパークがローカルで、大阪に移ってからは主にiS OLLiESです。スケート歴は12年です。

V: 影響を受けたスケーターは?

K: 当時よくビデオを観ていたのはデーウォン・ソンです。

V: デーウォンが手掛けるAlmostからサポートされているよね? 本国と繋がってやり取りはできているの?

K: それはこれからな感じです。今月、アメリカでAlmostのツアーに参加することになったんですよ。インターナショナルのフロウチームの中から3名ほど選抜されてサンフランシスコで撮影します。結果を残さなければならない大切なツアーです。

V: ここ数年はいろいろと海外のコンテストにも出場しているよね。

K: そうですね。Damn Amばかりなんですけど、今のところは決勝に行くのが精一杯です。それで順位は下から数えたほうが早い感じ(笑)。決勝には行けるようになったんですけど、そこからが壁ですね。Tampa Amも出たんですけど、去年は準決勝までです。毎年良くなってはいますけどね。

V: 海外のコンテストで印象的な出来事とかはあった?

K: アメリカのコンテストに毎年出て思うのは、流行りのトリックがあるということです。日本にも流行りはあるけど、トリックのレベルがやっぱり違うんですよ。たとえば、去年だったらレールでのキックフリップからのFsリップスライド。みんなやっていましたね。あとスケートの勢いが日本とは違う感じがしました。もっとガンガン攻めているというか…。

V: ちなみにオリンピックについては? メディアの取材も増えたんじゃないの?

K: そうですね。いつも取材では「出れたら出たい」と言っています。最近は新聞で僕の普段の生活を取材されたり(笑)。

V: 日本代表選手の選考はどうなっているの?

K: 今年はまだ決まらないですね。8月にジャカルタでアジア選手権が開催されるんですけど、先日その派遣選手を決めるコンテストで優勝できたので出場することになりました。最終の選考は来年になると思います。

V: なるほど。では今回完成させたパートはMonster Energyから世界配信されたけど、チームに加入した経緯は?

K: 小・中学生の頃に新横浜のスケートパークで映像を撮ったことがあって、それをMonsterのUS本社のチームマネージャーが観てくれたことがきっかけです。でもエナジードリンクのスポンサーを受けるには特定の年齢に達している必要があるらしくて、当時はまだ若くて加入できなかったんです。それで年齢が達したからオファーをしてくれたという感じです。

撮影期間は合計で半年弱ですかね。でも実質2週間ほどでした

V: じゃあ、ずっと待っててくれた感じだ。では今回のパートを撮影することになったきっかけは?

K: 去年Monsterで作った“Almost Dawn”というパートをリエディットしてDorcusのDVDに入れようという話があったんですよ。でもあっという間に1年が過ぎちゃって、Monsterから新しいパートを出そうということになりました。それならひとつのパートを撮ることに集中して、それをDorcusのDVDにラストパートとして収録して、さらにMonsterを通して世界配信しようという話になりました。

V: ということは、昨年2月にパートを公開してから撮り始めたということだから撮影期間は1年?

K: いや、動き出したのは去年の10月です。10月まではコンテストのオンシーズンだから動けないんですよ。なので撮影期間は合計で半年弱ですかね。でも実質2週間ほどでした。

V: どういうこと?

K: 1日に3つ撮れたり…。今回はトライしたスポットでの打率が100%だったんですよ。

V: 広島の特大ステアのビッグスピンもすぐに撮れたの? 数日かかったりしなかったの?

K: できなくて戻ったスポットはありませんでした。広島のステアはパートを撮り始めた初日で、あの日に3つトリックが撮れました。パートの最初のトレフリップをしてバックリップのライン、ハンドレールでのBsノーズブラントスライド、そしてビッグスピンは同じ日です。

V: マジ…。そんな感じでパート撮影が始まったんだ。まさにモンスター級…。今回のパートはハンマーばかりだよね? その中でも印象的だったのは?

K: どのトリックもかかった時間は同じくらいなんですけど、ノーリーフリップはステアがでかくて身体がかなり疲れていたのでメイクできてうれしかったです。でもラインが少なかったから、全体的にちょっとバランスが悪いと思いました…。もっとラインを撮りたかったですね。

V: ハンマーをトライするときに心がけていることとか、ジンクスみたいなものはある?

K: たとえば今回のラストトリックのFsフィーブルをトライしていたときは「これをメイクすれば堀米に追いつける」って勝手に思ったり(笑)。

V: やっぱり同世代のスケーター同士でライバル意識があるんだ?

K: 普段はめっちゃ仲良いですけどね。ただコンテストの順位とかはやっぱり気になっちゃいます。

V: でもAlmostのツアーでいろいろと状況が変わるかもね。ちなみにあのエンダーは後ろ足がヒールで乗っていたけどスケッチーな感じはしなかった?

K: あれは6回くらいトライしたんですけど、重心が後ろになりすぎてレールの最後まで流せなかったんですよ。だから体勢を前のめりにしようとした結果があの後ろ足です。身体をレールの真上に乗るようにしたらあの形になったんだと思います。あのほうが安定するんですよ。

V: では今回のパートが完成した率直な感想は?

K: もっとやれたと思いますね。これからももっと映像を撮っていきたいと思います。

V: もう大阪にはレールやステアが残っていなさそうだね。では最後にスケートで成し遂げたいことは?

K: そうですね…。日本人として2番目にSLSで優勝したいですね。

V: 今年の活動予定は?

K: まずAlmostのツアー、そして8月はジャカルタでアジア選手権。そんな感じです。

V: では最後にDorcusのDVD『FRONT LINERS』がリリースされるということで、好きなクワガタのタイプは?

K: そりゃ、あれですよ…。もちろんヘラクレスですよ。

V: それカブト虫やん!(笑)

Keyaki Ike
www.monsterenergy.com

2001年生まれ、和歌山出身。Monster Energy、AlmostやDorcusに所属。規格外のテラインを容易に攻略できる数少ない日本人スケーターのひとり。オリンピック選手候補でもあり、国内外のコンテストやストリートで精力的に活動中。

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