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スケーター、モデル、ミュージシャンと、マルチな才能を存分に発揮するADIDAS SKATEBOARDINGの新世代リル・ドレ。最新のビデオパートを振り返りながら、SUPERSTARの魅力について語ってもらった。
──LIL DRE / リル・ドレ

2024.12.17

[ JAPANESE / ENGLISH ]

Photo_Takuya Izumi
Special thanks_adidas Skateboarding

 

VHSMAG(以下V): 東京へようこそ。今回が初来日?

リル・ドレ(以下D): 日本は初めてだね。マジでヤバい。前からいろいろ想像してたんだけど、仲間たちがみんな「日本は今まで行ったなかで一番好きな場所」って言ってて。カール・ワトソンも何度も「絶対日本を気に入るはず」って言ってたし。何もかもが美しい。

V: ジャパンツアーはどんな感じ?

D: ストリートを回って楽しんでるよ。でもセキュリティがかなり厳しいね。警察が来る前にトライするチャンスがほんの数回しかないし。でも昨夜は運が良くてクリップをゲットできた。フロントスリーでバンクインしたんだ。でもそこはマルコス(・モントヤ)がスラムした場所なんだよ。アプローチにでっかい岩があって。マジで巨大な岩。暗くてそれが見えなかったんだ。そこに岩があるなんて思わなかったみたい。マルコスがケガした分、オレがなにかトリックを決めて取り返さなきゃって感じだった。

 

 

V: 昨年"Beautiful Thoughts"パートを公開したよね。使用した曲について聞かせて。

D: あの曲はオレとホーミーで作ったんだ。ヤツがビートを作って、ヤツの元カノが歌を乗せたんだよ。スタジオで曲に合わせて映像を編集して完璧に仕上げようとしたんだ。

 

V: 音楽を始めたきっかけは?

D: ガキの頃からずっと音楽に影響を受けてきた。音楽を作りたいっていう気持ちは昔からずっとあったと思う。でもそれは音楽業界で何かになるためじゃなくて、ただ楽しむためだった。それで機材を集め始めて仲間たちと曲を作り始めたんだよ。最近はマジで楽しくなってきた。スケートみたいに、曲をひとつ作るとまた次の曲を作りたくなるんだ。どこにたどり着くかなんてあんまり気にしてない。

V: スケート以外にも取り込んでいることがあるのはいいね。

D: それが大事だと思うんだ。自分が本当に好きなことをやるのが怖いと思う人もいるけど、他人がどう思うかなんて気にしなくていい。結局は楽しむことが大事だし、それが自分が行きたい場所にたどり着く方法だと思う。マジで楽しい。東京でもスポットで滑れなかったら、ラップトップで曲を作ったりして遊んでるんだ。

V: 4月にリリースした"Lil Dre in Los Angeles"パートについては?

D: あれはモンタージュみたいな感じだった。自分のカラーウェイのためのショートエディットで撮影は1週間くらい。映像が全然なくて、シューズの発売が迫ってたから何か撮らないとだめだったんだ。それでマルコスと仲間のリコをLAに呼んで、1週間かけてLAのスポットで滑りながらなんとか形にした感じ。

V: 1週間はかなりタイトなスケジュールだね。

D: 確かにかなりハードなスケジュールだったけど、仕上がりは気に入ってる。これまでと違ったことができたからね。というのも音楽を取り入れたんだ。スタジオを借りて、実際にそのビデオのためにビートを作るところを撮影した。スケートのアプローチで何か新しいことができたことがうれしかったね。

 

V: マルコスとはかなり仲がいいんだよね。お互い同じブランドがスポンサーだし、しかもマルコスの妹と付き合ってるんだよね?

D: そう、オレたちは本当に家族みたいなもんだよ。今では本当の兄弟みたいな感じ。前から兄弟みたいなもんだったけど、特別な絆が生まれたんだ。

V: そしてふたりともファッションモデルもしてるよね。今まで携わったキャンペーンやショーのなかで特に印象に残ってるものは?

D: 特に印象的だったのはSaint Laurentのキャンペーンだね。少しずつSaint Laurentと関係を築いていったからオレにとって意味があるんだ。それでファッションショーに招待されるようになって最前列に座ることができた。そんなことは今までなかったから特別な経験だったよ。そうやってあんな大きなブランドと関わるチャンスがある人はそんなに多くないから、Saint Laurentのキャンペーンに起用されたのはマジで大きかった。あとはCalvin Kleinのキャンペーンもヤバかった。それまではずっと自分が本当のモデルじゃない気がしてたから、あれをやったとき「本物のモデルになったんだ」って思えたね。

V: ファッションモデルの仕事を始めたきっかけは?

D: カール・ワトソンの息子のエラン・ワトソンがきっかけ。ガキの頃から一緒にスケートしてたんだけど、ヤツは写真を撮るのが好きでいつもオレを撮ってたんだ。どこに行っても写真を撮ってたんだよ。ヤツのおかげでカメラの前に立つことに慣れてたんだ。そして小さな新しいブランドのためにちょっとした写真撮影を始めて、その後Instagramでスケートのエディットを作り始めた。そしたら大きなブランドや会社が服を送ってくれるようになって、デザイナーブランドを着てエディットを作るようになったんだ。それがきっかけでモデルの仕事が来るようになったって感じ。

V: スケートとモデルのキャリアはInstagramがきっかけで始まった感じなんだね。

D: 当時はケビン・ペレズと毎週のように撮影してた。その頃の再生回数がマジですごかったんだよ。難しいトリックをしてたわけじゃなかったけど、それがInstagram上だったこと、そしてそれがトレンドになったのが大きかったんだと思う。その流れを利用してずっと続けてたらうまくいったんだ。

心のなかではみんなに証明しなきゃって感じてた

V: まさに新しい世代のスタイルだね。

D: まあ、たしかにうまくいったんだけど、最初はみんながオレを本当のスケーターとして見てくれてなかった気がするんだ。だからストリートパートを出して自分を証明しなきゃって思ったんだよ。オレはInstagramのエディットしか作ってなかった。ちゃんとしたパートがないのにスポンサーもついてるなんて不公平だと思われるだろ? だから心のなかではみんなに証明しなきゃって感じてたんだ。

V: そして今はすべてを証明してadidasのSuperstarツアーで東京にいるってことだよね。Superstarの魅力は?

D: シンプルにSuperstarがお気に入りのシューズなんだ。スケートに最適だしハイカットもローカットも両方好きだね。履き心地がいいんだ。オレはステアを飛ぶことが多いんだけど、これほど足が痛くならないシューズはめずらしいね。

V: adidasとの今後のプロジェクトで予定されているものは?

D: adidasパートを撮影中。もっとたくさんのプロジェクトに取り組みたいね。

V: もし自分のシグネチャーモデルやアパレルコレクションをデザインするとしたら、どんな感じにしたい?

D: 難しい質問だね。それは発売されたときに見てもらうしかない(笑)。ちゃんと考えなきゃいけないし。でもコレクションをデザインするのは夢みたいなものだね。きっといろんな要素がひとつになった感じになると思う。ひとつ言えるのは、黒が多めになるだろうね(笑)。

 

Lil Dre
@lil.dre._

ステアで魅せるフリップトリックとテクニカルなブロックトリックが武器。ラッパーやファッションモデルとしても活動中。

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