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フィルマーの髙橋大介が主宰するビデオプロダクション、STUDIO SK4から公開された瀬尻 稜のフルパート“SYMPATHY”。4年の歳月をかけて制作されたこの作品の舞台裏に迫る。
──RYO SEJIRI / 瀬尻 稜

2024.07.29

[ JAPANESE / ENGLISH ]

Photo_Yuji Yamada
Special thanks_studio sk4

 

 

VHSMAG(以下V): 今回の“SYMPATHY”は『TIMESCAN 2』(www.youtube.com/watch?v=oXhb0qZ-8tI)から1年後の公開になったけど、撮影を始めたきっかけや時期は?

瀬尻 稜(以下R): 一番古いフッテージはたぶん4年前とかです。元々Burdenクルーと動いていたときにツアーなどで大ちゃん(髙橋大介)に映像を撮ってもらい出したのがきっかけです。

V: studio sk4の大ちゃんとタッグを組んだ経緯は?

R: 最初はそういった流れのなかで、ツアーの後も撮りたいスポットがあったら連絡して撮ってもらっていた感じです。それを続けたら映像がたまってきて、一緒にパート作りたいって話になって。具体的に最初から決めて動いていたってよりは、自然な流れでした。

何か熱中して続けているときに、同じような感覚を持つ同士が近くに増えていくような感覚があってSYMPATHY(共感)というタイトルになりました

V: タイトルに込めた思いやコンセプトは?

R: 続けていくなかでお互いの考えとか感覚がマッチしていくのを感じて。個人的にはスケートに限らず何か熱中して続けているときに、言葉にはできないけど同じような感覚を持つ同士みたいな人が近くに増えていくような感覚があって。それでSYMPATHY(共感)というタイトルにしようってなりました。

V: 『TIMESCAN 2』と“SYMPATHY”は両方ともスポンサーのビデオではなくインデペンデントなフィルマーとタッグを組んだ作品だけど、特定のフィルマーと仕事をする醍醐味は?

R: 一緒に作りたいって気持ちが一番にあって動けるのがいいと思ってます。誰かのためとか、形、イメージや期限とか何も決められてなくて、お互い本気でいいものを作るために動けるのが好きです。

V: 大ちゃんとの撮影はどうだった?

R: 作品をイメージして撮影してくれているのはいつも感じてました。プロっす。こだわりはめちゃ強いけど大ちゃんの作品が好きなので、くれる意見に対しては全部信じて動いていたすね!

 


Photo_Kaito Sagawa

V: 登場するスポットはありきたりのものじゃなくて結構こだわっている印象を受けるけど、スポット選びはどんな感じで進んだの?

R: 撮り出した頃は映像を観て行きたいところを決めたり、大ちゃんに紹介してもらって行ったりが多かったです。自分が知らないエリアのスポットとかめちゃ知っているからたくさん頼っちゃっていました。途中から「自分で探したスポットで撮るのって気持ちいなー」ってなってきて、そこからは探しまくって撮っていました。結果、偏りがあるようでないバランスになっている気がします。

V: YMOの楽曲もいい感じにハマっているよね。この曲に決めた経緯は?

R: これは大ちゃんのチョイスですね。自分も気に入ってます! 曲名の“Perspective”の日本語訳が「視点」なんですけど、その前に《してん》ってタイトルの絵をちょうど描いていて。それも繋がって「Sympathyだ!」ってふたりで盛り上がっていました(笑)。

V: パートの中で印象に残っているトリックは?

R: バンクのスポットでFsノーズブラントを流したのはめちゃ気持ちかったです。スポットまでの道のりが草むらを抜けなきゃなんですけど、途中道だと思って一歩踏み出したら20cmくらいの池みたいになってて。足首まで泥だらけになって超萎えてから、メイクしたの覚えてるす(笑)。

V: では撮影でうれしかったことと辛かったことは?

R: うれしかったことは多すぎて選べないす(笑)。終わって思うのは、シンプルにいろいろな人と一緒に動けたこと。長く撮っていたので、時期によってよく一緒に動いてた人とかが変わったりして、それも映像を通してみんなとその時間を思い出せて共有できるっていうか。辛かったのは、なかなかエンダーが撮れなくて、いつ公開できるのかわかんなかったことですかね。

V: たしかに噂でエンダーは数年のスパンで撮ったと聞いたよ。

R: 元々狙っていたエンダースポットに2回撮りに行ったんですけど、メイクできず…。その後、そのスポットがなくなっちゃって。そこからまたスポットを考えるのに時間がかかって、あのスポットを見つけたときに「ここだ」ってなりました。オーリーを着ってからスタンスが合わなくてだいぶビビってたんですけど、大ちゃんも背中を押してくれたし、写真は井関さんがいて、ネギソラ(根岸 空)が固定カメラをレックしてくれていて。「もうやるしかない!」って感じでした(笑)。

V: “SYMPATHY”が完成した今、撮影を振り返って思うことは?

R: じっくり向き合って撮りきれて良かったなと思いました。今は毎日新しい映像がアップされる時代でオレもついつい早く出したいって気持ちが先走ってたんですけど、逆に自分が今後長期的に撮れるパートを残せるかわからないし。今のベストに向き合って、時間はかかりましたけど作品を完成できたのでよかったです。

V: 最後に今後の予定は展望を。

R: Elementのビデオを作る予定で、それに向けて動きます! それと別で撮っているパートも年末か年明け目標で出せたらと思ってます。

 

Photo_49n

Ryo Sejiri
@ryosejiri

1996年生まれ、東京都出身。スイッチを駆使したテクニカルトリックで世界への扉をこじ開けたパイオニアのひとり。代表作は『Far East Flow』や『TIMESCAN 2』など。現在はアーティストとしても精力的に活動中。

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