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1966年の創業以来、58年の歴史を誇るシューズブランドのVANS。創始者の2代目であるスティーブ・ヴァン・ドーレン、レジェンドスケーターのトニー・アルヴァとオマー・ハッサンにVANSの真髄について語ってもらった。
──STEVE, TONY, OMAR

2024.07.20

[ JAPANESE / ENGLISH ]

Photo_Taiyo Tanida
Special thanks_Vans Japan

VHSMAG(以下V): まず、VANSのコンセプトであるOff The Wallについて。噂ではトニーがプールでスケートしていたときに壁(Wall)から抜けて(Off)エアーをしたからと言われているけど、それは本当なの?

トニー・アルヴァ(以下T): ひとつの動きで決まったわけじゃない。Off The Wallとはむしろスケートのアティチュード。建築に関して言えば、スケーターはコンクリートの波に乗るためのさまざまな方法をつねに探している。空のプールで滑るようになって、オレたちはコンクリートの上でサーフィンを模倣していただけでなく、空中に飛び出しながら重力を操る方法を学び始めたんだ。Off The Wallというコンセプトは、スケートだけでなく思考そのものについても言及している。 人生、サーフィン、スケート、アート、音楽など、物事全般への取り組み方についてのコンセプトだ。Off The Wallであるということは、何か新しいこと、違うことをすることだった。だから壁を抜けるという物理的な行為だけでなく、スケーターのライフスタイルに付随する他のすべてのことが重要なんだ。そしてユニークでオリジナリティのあるものをやろうとすることに意味があるんだよ。

スティーブ・ヴァン・ドーレン(以下S): とにかくオレたちはトニーがプールの壁を抜けて飛んだという話を聞いたんだ。オレにはマーク・ヴァン・ドーレンという当時13歳のいとこがいて、デッキの底に後にOff The Wallのロゴのデザインになるタートルをステンシルしたんだ。叔父のジムが「それは何だ?」と聞くと、マークは「ステンシルを作ったんだ」って。当時はパンクロックが流行っていたからね。そんなときにトニーの「Off The Wall」という言葉が耳に入ってきたわけ。そうしてタートルとその言葉を組み合わせて最初のロゴが誕生し、それは今でもVANSのシューズのかかと部分に配置されているってわけ。

T: ちょっとしたマントラのようなものでもあるね。創造性と前向きな気持ちを与えてくれるコンセプト。オレにとってはそんな意味があるかな。

S: これは他とは違うというVANSの姿勢。VANSは初日からカスタムメイドのシューズを作っていた。片方はグリーン、もう片方はチェッカー、タンはピンク、裏はイエローなんて注文もできる。まったく問題ない。それが個性というものなんだから。

T: そしてOff The Wallは今やOTWと呼ばれる新たなコンセプトに進化している。今も進化し続けているんだ。

V: スティーブはイベントに来る人たちのために現場でハンバーガーを振る舞うことで有名だよね。

S: ずっとオフィスになんていたくないからね。オレは普通の重役じゃないから。VANSはかれこれ58年やってきた。最初の25年間は父の会社で、次の会社には12年間ほどお世話になり、その後、現在の親会社であるVFに移った。彼らがVANSを買収して今年で20年になる。多くの場合、オフィスにいても何も学ぶことはできない。オフィスに座っている重役のような仕事がしたいかって? そんなもんはクソ喰らえだ。キッズがシューズの底の白い部分に絵を描くのを現場で見て、チェッカーボードのシューズが誕生したんだ。それがきっかけでVANSはチェッカーボード柄のラバーを作り、気がつけばキッズはアッパーにもチェッカーを描くようになっていた。会議で「チェッカーボードのシューズを作ろう」となったわけじゃない。キッズがシューズに絵を描いたことが始まり。そしてキャンバスのアッパーにも白黒のチェッカーボードを配するようになり、トニーが出入りしていたサンタモニカの店で初めて販売されるようになった。そして1982年にショーン・ペンがそこでたまたまチェッカーボードのSlip-Onを買ったんだ。彼がそのシューズを気に入ってスタジオに履いて行くと、スタジオから電話がかかってきて「うちの俳優のために、このシューズをもっと提供してもらえないか?」と言われてね。そこでトニーが出入りしていた店のマネージャーだったベティ・ミッチェルが、ユニバーサルスタジオに2ダースを持っていったんだ。そうしてチェッカーボードのSlip-Onの人気に火がついたんだよ。

V: VANSの長い歴史で成し遂げてきたことで、誇りに思うことは?

S: まだVANSにいて、こうして旅に出られることを誇りに思う。東京で人の足を見るとサイドストライプが飛び込んでくる。そして91歳を前に亡くなったVANS創始者の父(ポール・ヴァン・ドーレン)のことを思い出すんだ。父は3年前に亡くなったんだけど、『Authentic』という本を書いたんだ。オレの兄と姉はふたりとも目が見えない。彼らは20代で視力を失った。それで父が、ふたりのためにこの本を朗読してもらえないかとトニーに頼んでくれと言うんだ。トニーは快諾してくれて、今はAudibleで聴くことができる。9時間ほどずっとトニーが朗読している(笑)。録音に1週間かかったんだよな?

T: ああ、1週間近くかけて録音したね。でも大切なのは、ポールが亡くなる前に完成することができたということ。ポールからその本のスポークスパーソンになってほしいと頼まれたんだから。スティーブの兄と姉は、姿が見えなくてもオレの声を認識している。とてもクールなことだよ。そして本当に素晴らしい経験だった。このストーリーを読んで、スタジオに入り、その声を担当することができたんだから。ポールのストーリーをオレが語ったんだ。VANSの創設者のビジョンや夢、そして彼の本当のストーリーの一部になれるというのは、とても素晴らしく名誉なことだよ。

S: 父の本が出たのは2021年4月27日で、その10日後にこの世を去ったんだ。生きているうちに自分のやりたいことはすべてやったと思っているはずだよ。

V: いい話だね。上海のイベントでデモを見ていて思ったんだけど、VANSにはいろんな世代のスケーターが在籍しているよね。これはVANSにしかない特色だと思う。

T: さらにみんな違うスタイルの持ち主。みんなが同じように滑っているわけじゃない。みんな自分のやりたいことをやっていて、まるでアブストラクトアートのセッションのようにクリエイティブなんだ。誰も争っていない。誰もショーの主役になろうとしていない。みんながひとつになって一緒に滑ることがスケートの本質のひとつだから。

オマー・ハッサン(以下O): 競争ではなく、全員が楽しんでお互いをプッシュし合うことが大切なんだ。VANSにはずっと同じメンバーや同じ世代が在籍し続けている。それはVANSにとって最近始まった新しいことではない。オレたちはスケートコミュニティをサポートしているんだ。オレらにはスケートのルーツがしっかりあり、そのルーツは成長している。それがオレらVANSの信念なんだ。それこそがVANSファミリーなんだ。すべてが自然で作為的でないからいいんだ。あらゆる世代が作り出すエネルギーに着目してくれたのはうれしいね。

オレたちはパークのコンテストを広めるために、世界中でVANS PARK SERIESを開催したんだ

V: さまざまな世代のスケーターがいることに加えてVANSは過去に多くのイベントも開催してきたよね。

S: そうだね。VANS Warped Tourを24年間やってきた。Triple CrownやDowntown Showdownなど、いつもいろんなイベントをやってきたのはいいことだよね。VANS Park Seriesもやって、今ではそれがオリンピックの2種目のうちのひとつになっている。それはVANS Park Seriesがきっかけで生まれたんだ。アメリカでは6年連続開催して、ブラジル、スウェーデン、フランスでも形にした。モントリオールでも毎年開催した。オレたちはパークのコンテストを広めるために、世界中でVANS Park Seriesを開催したんだよ。

O: 当時は特に、VANSほどスケートやイベントに投資していたシューズブランドはなかったと思う。VANSは本当にたくさんの良質なイベントを提供してきた。そしてそれはスケートコミュニティにとって大きな支えになっていたと思う。

V: では最後に、今後のVANSの展望について聞かせてください。

S: 正直言えば、パンデミック以来ペースダウンしてしまった。だから今はまた勢いを取り戻そうとしているところ。VANS Warped Tourは25年目で休止を余儀なくされたけど、実は来年が30周年なんだ。だから来年の6月には再スタートして4つか5つの大きなツアーを行いたいと思っている。VANSチームにも参加してもらうつもりだ。大きなパンクロックのコンサートもある。特大のランプでデモもやる。オレらがやっていることを若い世代の目を通して見てもらい、ユースカルチャーにもっと関わっていきたいと思っている。現場で最近の若者が求めていることを知って、関わって、彼らをもっとサポートしていきたいね。

 

 

VANS
@vansskate @vansjapan

1966年3月16日創業。'70年代以来、Authentic、Era、Old SkoolやSk8-Hiなど、今日もクラシックとされるスケートシューズを手掛けてきたシューズブランド。

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