先週に引き続き、今回のYo! Chuiもインスタグラムでバズリングな話題から。沖縄出身、現在は大阪在住で僕の憧れであり大先輩でもある宮城 豪が投稿した動画がどうやらでーじアチコーコー(超ホット)。これまた奇想天外なトリックチョイスで世界を震撼させたのか。スケートボードと並んで熱を入れている(!?)ママチャリライドでBMXライダーをもぎゃふんと言わせたのか。いえいえ、今回そんな投稿で話題となっているのは、彼のローカルである大阪・恐竜公園でスケートボードに乗るおじいちゃん。いまやいい歳のオジサンたちなんてもはや珍しいものでもなんでもない光景ですが、そのおじいちゃんはなんと御齢80歳。スケートボード創世記から滑り続けてきたまさに第一世代のスケーター、というわけでもなく80歳にしてスケート歴は約半年。ボロボロに削れたデッキに大きめのウィールを履いたコンプリートはどういった経緯で手にしたのかはわかりませんが、きっと「スケボー、やってみてぇ!」。そんな衝動に突き動かされたのでしょう。
80歳という年齢を考えると、どうしても限界があるはずです。しかしインスタグラムの短い動画、そして文章から伝わってきたのは、自分で決めた目標に向かって挑戦するリアルなスケーターの姿。街を歩いてりゃお年寄りが転ぶと人が助けに駆け寄るぐらいですが、そのおじいちゃん、ズッコケながらもスロープを下りきり、スピードに乗ったまま大きくUターンするという目標を見事メイク。ちゃっかりテールをヒットして板をキャッチするというオマケ付き。そんな目標を達成したおじいちゃんの笑顔はとても清々しいもので、コメント欄も「かっこいい」のオンパレード。やがてその投稿はThrasherやトニー・ホークのアカウントからも共有され、世界中のスケーターを明るい気持ちにさせたのは想像に難くありません。
何かとかっこつけたがる若い野郎どもがスケボーやってるなんてのは世界各国の共通事項。これは僕の持論なのですが、そんな若者のみならずさまざまなタイプの人間が滑っているところほど、スケート文化も成熟しているのかなと。今回そんな投稿を見て「また日本のシーンも一段と深化したのかな」と感慨深く思った次第。そういや僕が上京した頃、三鷹のパークでも60歳近くかと思われる方がバリスケしているのを度々見かけたことがありました。これまた以前の宮城 豪みたくデッキテープ無しの板で、ピラミッドでバチっとフリップしているのを見て「東京のシーンヤベェ」と衝撃受けたもんです。最後に見かけてからしばらく経ちましたが、彼はまだスケートしているのでしょうか。してるといいなぁ…。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)
https://www.youtube.com/watch?v=k5BH4oAEENU