交通量の多いところでスケートボードに乗った高校生が逮捕。先日出たニュースを見た方も多いことでしょう。見せしめなのか、再三なる注意を無視した結果逮捕されたのか…その内情はわかりません。同じスケートボードに乗る者としては思うこともありますが、「明日は我が身」であることに間違いありません。単なる偶然か否か…そんなご時世に自分も駅で板を持って歩いていたところ、1週間に2度も職質され、ポケットからカバンの中身までチェックされるのでした（オレってそんなに怪しく見えるのか!?）。
　スケートボードが国内で浸透する一方、厳しさも増すストリート事情。東京都心で撮影をしていたクルーが、200万円超の損害賠償を払うハメになったケースが起きたのも記憶に新しいところ。そんな噂も飛び交い始めた頃、「また別の場所で数千万円の損害賠償沙汰があった」って噂も一部では囁かれてました。さすがにデマだと思われるのですが、そんな情報を受けて各スケーターが真相を探ろうと情報収集に駆られ、ピリついたのも事実。ストリーターたちがより細心の注意を払うきっかけ作りとしては一役買ったのかもしれません。やれ渋谷原宿界隈が、今度は池袋が、はたまた東京駅近辺や品川で、横浜で。都内のみならず地域ごとにストリートスケーターを一掃するキャンペーンにより厳重な注意が行われる時期があります。「普段より厳重」とは、身分証や電話番号を調べられたりでは済まされず、警察署に連行され、逮捕とまでいかなくとも事情聴取や始末書を書かされるとか、そんな感じ。そんな情報はスケートコミュニティから流れてくるのが最も早いので、なるべくいろんなスケーターとコミュニケーションを取り、アンテナを張ることに越したことはありません。
　現在スケートボードが最もホットな国のひとつが、世界の流れと逆行した残念なストリート事情を抱えているのはどうしたものか。いよいよ本格的に街中でのスケートが法律で罰せられ、人気の少ない広場やパークくらいしか滑れなくなってしまうことがあれば、それは日本のスケートシーン衰退の始まりだと思えてなりません。数十年後、僕らがキッズたちに「昔はそこらへんの階段や縁石でスケートできたもんだよ…」なんて語るのはツライっす。そうならないために、無闇で無茶なストリートスケートは避けつつも、ストリートスケートがいかに創造性のあるものかを人に理解してもらえるべく伝えていく。そんなことが今まだストリートスケート「現役世代」の僕らに課せられたノルマなのかなと思ったりもするワケ。少し希望があるとすれば、それを理解してくれてる大企業や自治体なんかが、ストリートの一部も使えるコンテストやイベントを少しずつですが開催していることかな。大企業のみなさま、スケートボードをコマーシャル的に使うのは結構ですが、本質的な部分の理解拡散もよろしく頼んますです〜！

─Kazuaki Tamaki（きなこ棒選手）