規模や知名度の大小を問わず、海外のスケートブランドから認められ、正式にチームの一員として活躍する日本人の存在も今や当たり前。一昔前まではそれだけで話題の種、そしてシグネチャーモデルなど出ようもんなら「知らないじゃ済まされない!」くらいのビッグニュースとなったのでした。まぁ、海外ブランドに限って話すのももはや野暮な話で、動きのあるドメスティックブランドやチーム、クルーへの加入もより大きな意味を持つように思います。日本発のブランドが海外勢をサポートしたりっていう動きも出てきている近頃のシーンの動きからも目が離せません。スケートを始め、これから活躍していくであろうキッズたちがより大きな夢や目標を持てるようになった今のスケートシーンを見ていると、なんだかうれしく思いますね。
チーム入り。最もわかりやすいそれはウェルカムパートを引っ提げての情報解禁です。現代的にはインスタグラムでのお披露目も、ややライトな印象ながら多くの人の目に触れられているのではないでしょうか。スケート誌での発表はハードルこそ高くなりますが、ひときわ印象にも残りやすいようにも思います。もっとも、そんなアナウンスが行われるよりもずっと先からそんな情報や噂は流れてくるもので、感度高めなスケーターは知っていることも多かったりするのですが。やれ「靴や服が変わった」「無地のデッキに乗っている≒どこかに移籍するのだろう」みたいにめざとくチェックしているのもスケーターっぽくて自分は好きですね(笑)。
と、そんなことを書きながら過去のことを思い出していました。自分が初めてパートを作ってもらったときのこと。かつて地元のローカルシーンには年1ぐらいのペースでリリースされるビデオマガジン的存在のクルーがありました。そこで映像を撮ってもらえることになったのも自分のステップアップを自覚することができ、うれしいものでした。ほどなくしてロゴTeeを支給してもらったときはいよいよ自分もクルーとして認めてもらえたような気がしてニンマリ。映画『ロード・オブ・ドッグタウン』で少年たちがチーム発足の際にシャツを支給されて興奮するシーンの、まさにあれ。シャツなんて自分で気に入ったものを探して買うことはいくらでもできますが、チームの一員として配ってもらえるのって、気持ちがまたひとつ違うんすよね。支給に際して自分がお願いしたのは、当時大ファンであったジェフ・ロウリーやコーリー・ダッフェルよろしくなタイトなサイズ感。そのTeeはもちろんヘビロテのためプリントはガビガビ、穴も空いて臭くなったため断捨離したのですが、記念に残しておけばよかったなぁ。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)