ひとえに「スケートボーダー」と呼ばれる人種も、長いことスケートを続け、年齢を重ねていく中で、スケートボードとの向き合い方が変わってくるものです。他の遊びに脇目も振らず己のスケートを追求してるヤツ、仕事に家庭に忙しくしながらもちょっとしたオフタイムのスケートで心も身体も満足なヤツ、スケートのみならず音楽やアートといった方面においても器用に自分を表現するヤツ。さらにはショップや代理店、ブランドに勤務し公私ともにスケートにどっぷり漬かったヤツ。そんなスケーターたちが通って行く道を見ていて面白いと僕は思うワケ。
そしてフォトグラファーやフィルマーも決して忘れてはならない存在。「ザ・裏方」といった立ち位置で、被写体として映り込むのを避ける人もいますが、彼らの存在なしにはスケートシーンも成り立たない。そんな写真や映像の撮影を担当する彼らがフラッと滑っている、そんな瞬間が僕はけっこう好きだったりします。撮れるか撮れまいか、時に数時間、さらには数日間という長丁場をプレイヤーの撮影のために費やすのもいとわない彼ら。実力ある人ほどあちこちのスケーターや企画の撮影で忙しい日々を過ごしていることでしょう。撮れたフッテージや写真と引き換えに自分が滑る時間を犠牲にすることも多々あるはずです。そんな忙しい日々の中で「いつスケートしてるの?」って実際に思うわけです。ですので、彼らが滑っているタイミングに立ち会えたりするのがなんだか嬉しい。思えばみんな、はじめはスケートがしたくて板に乗り始めたわけで、フィルマーやフォトグラファーになろうと思ってスケートを始めたという人なんて聞いたことがありません。スケートシーンにのめり込み、写真や映像という裏方としての道を行く中で自分のスケート熱もキープし、打ち込む姿を見ると「この人も好きよねぇ〜」とホっとした気持ちになってしまいます。なんなら写真でも映像でも、撮る側だけじゃなく撮られる側としてもどんどん露出すればいいと思うんです。なんつってもそれが説得力にも繋がりますね!
今や無数のブランドやクルーが存在し、それぞれの活動の足跡を残すべく撮影に励むスケーターも各地にたくさんいるはずです。その活動を裏側から支えるフォトグラファーやフィルマー、のみならずその他にも裏方として地道なサポートを続けるスケーターのみなさま。たまには重たいバッグを置いて純粋なセッションを楽しみましょう! プレイヤーとしてもそんな裏方たちとのセッションするのは嬉しい機会でもあるはずです。なんならストリートに出向き、スポットにテンション上がった撮り手が撮影そっちのけでスケートしちゃう…そんくらいが最高のセッションなんじゃないかと思うのでありますです〜。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)