個人的な話ですが、最近要注意なアフリカ系のスケーターが増える一方です。思えばひと昔前には、その全盛期を謳歌していたいわゆるHip-HopやR&Bなど、主に黒人によって編み出される音楽の爆発的な流行も相成って、アフリカ系スケーターの黄金期とも言える時代がありました。そのスタイルの特徴としては、独特なリズムと、スラリと伸びた手足から繰り出されるテクニカルなフラットトリックを駆使した、緩かな中にも流れのあるスケート。まさにR&Bの旋律を体現するかのようなスケートスタイルで、例えるならばカリーム・キャンベルやキーナン・ミルトン、ドレイク・ジョーンズにジョバンテ・ターナーなどなど、枚挙に暇がありません。
そしてそのスタイルは当時の流行の主流となり、スケートビデオに使用される楽曲や彼らが好んだブランドをオーバーサイズに着こなすスタイルは、実に多くのスケーターに受け入れられました。
しかしやはり時代というものはつねに流れていくもので、いつしかアフリカ系スケーターたちが確立したスタイルもさらなる進化時を迎えます。それは彼らがそのスタイルにそれまであまり取り入れてこなかったトランジションでのスケートや、ビッグステアやハンドレールなどへの積極的なアプローチ、スクールヤードやプラザ以外のスポットの発見とそれへの取り組みです。
そうして登場したハイブリッドなアフリカ系スケーターの活躍には楽しまされてばかり。そしてそんな彼らをそのチームにバランスよく機能させているブランドもまた、僕には要注意な存在です。
--TH (Fat Bros)