僕の家にはTVがありません。正確には、あるにはあるのですがクローゼットの奥で眠っている状態。普段の生活でほとんどTVを観ることがなくなったのもあり、部屋の模様替えを機にその役目を終わらせたのでした。そもそもTVが好きではないってのもその理由のひとつ。「TVの流す情報は嘘ばっかり、情報操作ばかり」という、もっともらしい理由を並べてTVから離れたと言えば格好がつくようにも見えますが、それも半分は誇張やバイアスのかかったものであるってことも自覚はしています(笑)。
先日、近所の商店街を歩いていると若い女性に声をかけられました。どうやらTV番組の街頭インタビューをやっていて、それに答える形で出て欲しいと。誰だって名前を聞いたことのある番組のインタビュー。TV嫌いの僕も、その制作スタッフにまでアンチの矛先を向けるほど無慈悲ではありません。そして東京在住15年目にして初のTV出演、断る理由も見つかりません。「これ、自分が登場しちゃったらたまたまそれを観た友達が写真撮って送りつけてきたり、それをストーリーなんかにアップさせるんだろーなw」なんて思いつつ、インタビューを受けてみたのです。
話題が3つ4つぐらいで、10分ほどと聞かされていたインタビュー。中でもこんな質問がありました。「男性の短パンはアリ? ナシ? そしてその理由は?」と。なんの迷いもなく賛成と答えると、それはそれで制作クルーに根掘り葉掘りその理由を問われるわけです。あれこれ話していく過程で自分はスケーターであることを明かし、「何なら短パン・ハイソックスのスケーターなんて普通にいるよ、それが似合うヤツなんて相当かっこいいすよ」って話をしたところ、驚き、まるで訝しんでいる様子。そしてそれに関して「何の意味があるの?」「どこがいいの?」と、どこか否定的なニュアンスでインタビューは続きます。もはや「男性の短パンはナシ!」の結論ありきで、そこに誘導すべく答えさせようとしているようにも思えるほど。短パン・ハイソックスの似合うスケーターのあれこれを手元のiPhoneで見せて力説しましたが、制作クルーの理解はどうも得られず…トホホ。
小柄な僕がやると小学生みたくなっちまいますが、恵まれた体型の人間がやるとたちまちサマになるように見える格好、短パン・ハイソックス。今や街中でもその姿で歩く人も少なからず見かけるようになりました。その昔に地元の先輩らがそれを地で行くスタイルで攻めまくるのが衝撃すぎて、それは「ダサい」から「カッケェェ!」に変わった瞬間でもありました。ヤンチャな雰囲気が足元から放たれているように見えてなりません。
ちなみに例のインタビュー。実際に番組に使用される場合はあらためてその許可を得るため僕に確認の電話が来るとのことでしたが、しばらく経った今でもその連絡はありません。僕の意見は彼らの狙いにそぐわず、カットされたに違いない。10分と聞かされていたインタビューに25分費やしたのですが、それは無駄な時間だったようです。これだからTVってヤツは…。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)