コロナ禍も収束に向かいつつあり、規模の大小を問わずスケート絡みのイベントも増えてきました。週末ともなれば渋谷・原宿界隈で仲間とのワッツアップとフリービアを求めイベント会場をハシゴしていた以前の日常が少しずつ戻ってきているようでうれしく思う限り。そしてちょうどこの原稿がアップされる6月10日からは外国人観光客の受け入れも再び開始されるようですね。
地域差はありますが、日本から海外へ飛び立ち、旅行やスケートトリップに出かける人も増えてきました。日本人スケーターの、海外でのビッグコンテストでの活躍やブランドの本国チームとの密な行動は僕が言うまでもありません。そして今月は世界中のスケーターが一堂に集結するあのお祭りイベント、CPH Openが開催。何やらそれに向けて旅立つべく準備を進めているスケーターもちらほらいるらしいのです。
コロナ禍でスケートを始めた方にとっては聞きなれないイベントかもしれません。CPHとはデンマークの首都、コペンハーゲンのこと。そこで毎年開催されてきた世界最高峰のお祭りスケートイベントなのであります。2015、6年ぐらいから有名になってきましたが、調べてみると今から15年前の2007年から「CPH Pro」という名前で開催されていたようです。「スケート大国アメリカからトッププロを召喚し、スケーターヴァイブスな環境で行われるコンテスト」というのが当初のコンセプト。Tampaのようなコンテスト運営を目指していたということもあり、当初の映像からは実際それに近いような雰囲気であるのが見てとれます。次第にボウルでのコンテストやスケーター的遊び心(悪ノリ)といった要素が加わり、2015年から「CPH Open」という名前となり現在に至るようです。
パークから飛び出し、街中でも繰り広げられるスケートボードのお祭り騒ぎ。2018年からは国境すら越えてアムステルダムやベルリンにまでお祭り会場を広げていく勢い。その規模が大きくなるにつれて動員数も増加、いくらか混乱も生じたのでしょう。現在は動員数を抑えるためにあえてその具体的な日程などのインフォはオンライン公開されておりません。「CPH Openに辿り着くにはスケートコミュニティから流れてくる情報をゲットしないとね」っていうスタンスもまたグッド。
「新たなシティカルチャーに関して、コペンハーゲンはヨーロッパの最先端であることを標榜している。街を新しい形で活用する面白い方法を示すのにCPH Openはいい例となっている」とはまさかのコペンハーゲン市長の公式コメント。こりゃ、スケートに対する理解が日本の何十歩、何百歩先を行ってますね〜! とは言え日本も一時的・部分的ながら街中でのスケートイベントが少しずつ開かれるようになってきました。10年後20年後、日本からも世界に誇れるようなスケートボード祭があるといいし、その頃にはそれをわずかばかりでも支援できるパワーを蓄えておきたいってものです。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)