「今いきなり板の乗り心地がおかしくなって、なんか音も変わったんだけど…!?」と、スケート歴がそう長くない僕の友人は少し焦り気味。その症状を聞いただけで、ある程度スケート歴の長い人だと原因がすぐにピンとくるんじゃないでしょうか。自分が推測し、その板に乗り、実際にチェックしてみた結果、やはり予想は間違ってませんでした。正解は「ピボットブッシュの損傷」。これ、初めて自分が喰らった時もそうだったんですが、焦るんすよね〜(笑)。それまで何の不具合もなく使えて、一見まだまだ使える何の問題もないスケボーが、急に様子がおかしくなってしまうんだから。身体の内部から蝕まれてきたものが、ついには表面化したような状態とでも言えるでしょうか。
友達にはその原因と対処方法とともに「おめでとう!」と伝えました。それは間違いなくスケートを積み重ねてきた結果であり、ここでまた新たなドアが開かれたから。振り返ると自分もスケート歴の浅い頃には数々の不具合に遭遇してきました。雨の中プッシュして板の状況は最悪に、おまけにベアリングも錆びてロクに回らない。ボルトの山がバカになり、ドライバーで回すことができない。キングピンが折れる。ベアリング内部のリテーナーが壊れ、タマが飛び、1発終了。アクスルナットが締まらない…などなど、あのアナログな鉄の塊であるはずのトラック周りを中心に不具合が起きては直したり、どうにもならず買い換えを余儀なくされたりと、あれこれ喰らいながらちょっとずつ学習してきました。そんなこともありこまめにメンテナンスをしたり、応急処置のための部品や道具を持っているわけですが、それでも今後また未知の不具合に見舞われたりすることもあるでしょう。
とまぁ、知識だけは立派に増えていくけどロクに滑れないのでは「ただの不具合なスケーター」として揶揄されかねません。たくさんスケートした結果ギアの不具合が起きて、それをガチャガチャ直す過程を楽しむくらいが丁度いいっすね。ようやく涼しい季節となってきましたが、この夏はいつにもなくクソ暑く、あんまし滑りませんでした(反省)。そういえばピボットにベアリングオイルを垂らすとトラックの反応が良くなるっていうライフハックを最近聞いたんだけど、どうなんでしょう? 次のメンテナンスの際に試してみるかな〜。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)